第6話 うわさ

咲月はウキウキ気分で教室に入った。

すると、みんなからの視線が咲月に向けられているのを直感ですぐに感じた。咲月はすぐさま隣の席の子に聞いた。

「どうしてみんな私のことを見るの?」隣の子は言いにくそうに、「宮崎さん、あなた、昨日この学校のさとるくんたちにいじめられてたの?」と言った。

咲月は意味がわからなかった。「何を言ってるの?さとるはいい人よ。」咲月がそういうと、クラスの人たち全員が、おどろいた!というような顔をした。そしてその場を代表するように、女子集団がやってきた。「さとるくんは不良なのよ!しかもあんな綺麗な顔に、今日は傷をつけてやってきたんだから。宮崎さん、あなたがいじめられている証拠もバッチリこっちにはあるんだけど?」と言って前にさとるともめた時にさつきがさとるに殴られたところだけの動画を見せつけてきた。

「こんなの一部分だけじゃない!誰がこんなのを証拠として認めるのよ!」

咲月は怒りで顔が真っ赤になった。

「とにかく、さとるくんからは逃げた方がいいわ。私たち、宮崎さんがまた襲われるのがコワイの。」そう言って女子集団の子たちはこの場を離れていった。

咲月はこんなデタラメな噂を流したやつをいっこくもはやく見つけようと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

青空のこえ 小説大好き女子 @tkt-yuu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ