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イレーヌちゃんは毎日、アイドルのオーディションのための準備を色々とやっているみたいだ。
ある日、イレーヌちゃんに絵のモデルをお願いしてみたら、喜んで引き受けてくれて、ボクはイレーヌちゃんの横顔が前から好きだったから、イレーヌちゃんを真横から描いた。椅子に座ってもらって、横顔を描いた。キャンバスにボクのいちばん好きな油彩でイレーヌちゃんを描いた。
自分の描く絵を、いちばんに喜んでくれているのは、自分の部屋にいる霊のお方のようにも思える。いや、いちばん喜んでくれてるのは香絵ちゃんかもなあ。
霊のお方は、2番目に喜んでくれているように思う。イレーヌちゃんの絵を描いてる時も、なんとなく、霊のお方はずっと見守ってくれているように感じてた。
夜、寝てると、机の上に何枚も重ねて置いてある、ボクの描いた色んな絵が、パラパラと音をたてて、めくられていく。あっ!今、ボクの描いた絵を見てくれてるんだなと思う。
最初に部屋に来た当初は、寝てると、自分に対して「芸術に高い意識を持て」と常に、弟子に言うような感じで説いているように感じてたんだけど、最近は自分も絵をいっぱい描くようになってて、霊はその絵を嬉しそうに見守ってくれてるみたいなのだ。もしかして、霊のお方が、ボクに絵をいっぱい描くように、仕向けてくれているのだろうか。そして、ボクの描く絵を誰よりも好きでいてくれてるような感じする。いや、誰よりもというか、香絵ちゃんの次にというか。そんな感じだ。ただ、霊のお方は、ボクのことを芸術の弟子か何かのように、愛してくれているのはめっちゃ強く感じている。
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