第66話 一休みの夏の宿



 旅の途中で見つけた道の駅。


 風鈴の音、涼しげにかき氷の暖簾が揺れて。


 朝からアイスコーヒーだけの織風は、うーむ、ここで何かを食べようか?


 メニューを見れば、冷や素麺、だけがくっきりと瞳に映る。


「これだ、これしかない」


 心の中で呟けば、そのまま声になり、


「冷や素麺、貰えますか?」


 運ばれてきたお盆の上。

なるほど、錦糸卵、これは定番か。

胡瓜のスライス、ほうほう、これが無いと体が冷えたような気がしないのですよね。

何分に半袖で公道を走っていれば、腕が既に焼けています故。

で、この赤が冴えるのでございます、勿論、トメートの三角切り。

このトメートが何と甘ーい。

なんて言う種類だろう?


 でもって、その下には氷を伴った細い糸

素麺でございます。

お箸で持ち上げるとするすると取り上げられ

素麺つゆに浸けて音を立てて口に入れれば


「美味い」


 と一言、言ってしまうのです。


 ではここで、織風風冷や素麺を。


 素麺は一番細いものを選びまする。

たっぷりのお湯をグラグラと。

そこへ素麺を入れてほぐれれば即流水に浸けます。

びっくり水をほんの少し加えて、再沸騰もありかな?

素麺のアルデンテでありんす。


 冷えたなら即氷水に浸けます。


 素麺つゆは市販のもので、そこへ刻みねぎと刻み大葉、土生姜は欲しいなぁ。


 充分に冷えた素麺をたっぷりと入ったネギと大葉を絡ませるようにして、素麺つゆと一緒に吸い込むようにしてお口に入れましたならば、


「うーん」


 と唸ってしまう、そしてたっぷり入れた生姜がお口の中を爽やかにしてくれるのは夏の涼。


 でもね?

素麺って作りすぎることありません?


 はい、そんなあなたへ。

素麺巻きでございまする。


 余ってしまった素麺の水気を充分に取ります。

そして巻き寿司のように簀に海苔を敷きまして、そこへお米の時のように素麺を縦に敷きます。

具材は、やっぱり巻き寿司のようにお魚とかも良いでしょう。

織風は、きゅうりと、おねぎ、大葉が主役で、数日前はそこへ蒸し鶏を入れて巻きました。


 これをやっぱり生姜醤油でいただきますれば?


 美味い!

に決まっているではありませんか!


 ほんの少し変えて素麺巻き、いかがでしょうか?


 では皆様。

召し上がれー!

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