第24話 歓迎会とお披露目会。
元小林親子が合流した日の夜。
寮生達と
元々の歓迎会は寮生達のダイニングで行う予定だったが、帰宅した
それというのも、この場が女子寮という事もあって娘と同世代の女子達に囲まれる事に慣れていない事が要因だろう。
「
「かんぱーい!」
歓迎会の幹事として音頭を取る
「このお肉、美味しい・・・」
「この日のために熟成を依頼していましたの」
「それって・・・何日前から?」
「再婚が決まった日だったかしら?」
「そうですね。週の始めだったのは確かです」
それを聞いた
「お金持ちパネェ」
一般生の立場で言えば、そういう反応になるのは必定だろう。隣で野菜を頬張る
「そうかしら・・・ご実家という意味では、お三方も同じでしょう?」
「面識の無い母方の実家を言われてもなぁ?」
「うん。年に数回程度、敷居を跨ぐ程度だし」
「私の場合は、どちらの意味でも無関係だし」
「表沙汰にしない限りはそうなのでしょうけど、どのみち近いうちにバレますわよ?」
「バレるって何が?」
「先日は女子の家まででしたが、男子の家にまで飛び火するのは時間の問題という事です。
そう、
表向き、
クラスメイト間で起きた両親の再婚話。
どういう経緯であれ
「・・・(それで無理だって鼻で笑ったのね)」
それは
両親の再婚と同時に
義兄妹での結婚となると一時的に両親のどちらかに籍を移さねばならない。そこに
「そういう意味では彼女も他人とは言い切れませんが・・・(私と
「彼女?」
「いえ。こちらの話です」
「?」
何を思ってそのような事を口走ったのか?
「それはそうと・・・
「ん? どした?」
「明日の午後、お時間を頂けますか?」
それを聞いた
「午後は確か
「うん。母屋のリビングで勉強会だね」
二人の会話を聞いた
「それなら好都合ですね・・・私達も一緒に勉強会へ参加しても宜しいですか? いつも通りの謝礼も前金で用意しておりますので」
「謝礼って・・・あんな大金を毎回頂くのは」
「それはお気になさらず。貴重なお時間を頂くのです。お陰で私達も少しずつですが、授業の理解が容易くなっておりますので」
「そ、そうか。まぁ・・・くれるって言うなら」
「素直に受け取って下さる事で私達の面子も保てるというものです」
「金持ちも大変だなぁ」
「大変なのですよ」
二人の様子をきょとん顔で見ていた
「一体何があったの?」
「再婚が決まる前からかな? 寮生に対して勉強会を開いていたの。一年と二年だけでね」
それを聞いた
「あ〜。だから小テストの結果が入り乱れたのか。以前なら満点が取れなかった
「え?
「バカではないのだけど残念ではあるかな?」
二人の会話は小声だった。
だが、バカの部分は大声だったため──
「あの? 聞こえてますけど?」
給仕中の
「おっと。
「はい。ただいま。残念について後でお話があります」
「お、お手柔らかにお願い出来る?」
「それは言い訳次第ですけどね」
「・・・(急にお嬢様の空気を纏わなくても)」
この瞬間だけ二人の間に言い知れぬ空気が漂った。これはクラスメイトとしてなのか?
他者の知らない空気が二人の間に流れた。
そんな五人の様子を主賓席でみつめていた
(良い関係が築けているようで何よりだわ。とはいえ、
そして、近くで話し込む
一方、警戒されていた
「そんなに睨まなくても・・・あれはいつもの事故なんだから気にするだけ損だよ?」
怒り心頭の
「前回同様に目の前で示されれば、怒りたくもなります! しかも今回は」
「でんぐり返しで御対面だったもんね? お風呂上がりだったから、二人揃ってノーパンで」
「お陰で思いっきり見られたじゃないですか! しかも煌々と照らされて!」
「まぁまぁ。そのうち慣れるって」
「慣れたくありません!」
それは
帰ってきた
ガレージ外で二人揃ってスカートの中身を露わにし、単車のライトで照らされたのだ。
幸い、軽トラが先に入っていたため
すると
「そう言うけど・・・今も
紙皿と箸をテーブルに置き、芝生に座りながらメイド服のスカートに頭を突っ込み、スマホの灯りで照らしていた。
「何処に顔を突っ込んで・・・え? そういえば妙にスースーするような」
気づかされた
その様子を足下から眺めていた
「
助言は
「い、今すぐ
「慌てると危ないよ?」
そう・・・「危ないよ」っと言いつつ
「ぎゃふん!」
「薄暗い中で走ろうとするから・・・長い裾だった事が幸いだねぇ」
ちなみに、転けた
それを見た
これも息子に要らぬ刺激を与えないよう義妹が身体を張ったからだろう。
(ホント、油断出来ない子達だわ・・・)
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