大成功の裏と影を分析する
第414話 貧乏という言葉の暴力性 4
参照テキスト
https://kakuyomu.jp/works/16818093074870825076/episodes/16818093077101825938
↑ カテイのクサビ 第23話 うちは「貧乏」だから
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リアル著者より
増本さん宅の母親のモデルとした人物について、改めて書きながら彼女の言動と心理を分析してみました。以下、その人物(リアル)を「母親」と称して論を進めてみたいと思います。
確かに彼女の問題点として挙げられるのは、その「貧乏」という言葉を子どもに対して多用していたことです。これに対して、多用はしていない。頻度は少なかったから云々という弁解が彼女もしくはその親族の方より出たとしても、これは残念ながら頻度の問題ではない。
そのような言葉を使って子どもの欲望を抑え、もって不用な買い物をしない、させないことによってお金の大切さを学ばせたのであると言えよう。しかしながらその際に「貧乏」という言葉を使う必然性があったとは到底言えまい。
これは思考の節約というよりむしろ思考停止の状態ではないか。
確かに彼女の目的達成への効果はないわけではない。
その場限りの金の節約程度は実現できよう。しかしながら、中長期的な視点において彼女のその言葉は、明らかに子どもたちに悪影響を与えていると思料される事実が散見されている。それは金銭の問題だけでなく、進路などの点においても確実に影響を与えていると言わざるを得ません。
しかしながら、その言葉が彼女の家庭において、また、その場にいる子どもと称される年少者に対してどのような影響を与え得るかということに意識が向いていたとはお世辞にも申せない。そのような言葉を使わなくても、無駄なものを買わせないという目的は実現可能なはずである。
彼女のことであるから、金持ちの子らは好きなもの買ってもらっている程度の認識しかなかったのかもしれない。言うなら、彼女はマスコミはもとより周囲の人たちの噂話や身の回りの見聞きした情報程度を素直に信じて踊る、今時の言葉でいうところの情弱こと「情報弱者」の典型であったと総括せざるを得ない。
このような言葉を述べるくらいなら子供の面倒なんか初めから見るなと言いたいところではあるし、現に作品中ではそのような言葉を入れました。
では、彼女は短期里親の受入側の人間として失格であったのかということになりましょうが、これだけをもって失格と断ずるのは早計に過ぎる。
そもそも完璧な人間というのはいない。彼女の金銭に対する意識は高いとは残念ながら言えないが、彼女の家庭の主婦としての仕事、何より対象となる自信もしくは自身の弟の子ら、さらには短期里親で受入された私(リアルの私です)に対しての深い愛情に基づく言動には大きく救われていることも確かです。
以上より考えるに、彼女が自らの「母親」としての役割を十二分に果たしていたのではないかという指摘に対しては、全面的に認めるところです。
それは無論正面教師としてだけでなく、強烈な反面教師としての要素も少なからずあったとはいえ、それをもって彼女の「母親」としての功績が減殺されるものでもありません。
そこはこの場にて、しっかりと申し添えておきます。
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