第22話 大学の入学式でビラを撒いた中学生(実話)

 このモデルの人物の「影」として、小学生で大学のサークル「鉄道研究会」になぜか「スカウト」されて通うようになったのは、実話です。


 さらには、中2になったばかりの1983年4月8日、ちょうど今から39年前の本日4月8日で、同じ金曜日でしたけど、今日と同じく晴れた日でした。この日は中学校の入学式でしたが、中2以上の生徒は生徒会役員などの一部を除いて学校が休みの日。それでもって、私は朝から岡山大学(岡大)の学生会館に行って、新歓のビラ配りを、加藤さんという京都出身で経済学部の3回生の方と一緒に、岡大の南北道路の路上でやっておりました。

 もちろん、新入学の女子大生に声をかけられたなんてことは、ありませんでしたけど、なぜかその日は学生服で行っていまして、柔道部あたりの先輩に声をかけられた覚えなら、あります(苦笑)。

 ちなみに、その年の新入生は、3名ですべて男性でした。私のほうがなぜか早く鉄道研究会に来ていたことになりますけど、実際は、そのときの新入生の方々のほうが年上で先輩というわけでね、まあその、くる年くる年、同じことが大学に入学するまで続いていた、ってことになります。

 


 で、小説を書き始めて最初の頃、この話を書かないわけにはいくまいと思い、さっそく書いた次第。最初に小説を書こうと思った映画のヒロインの少女をモデルにした新入生の女子大生が、なぜか、鉄道研究会のビラ牧をしている少年にビラを受取って何やら話が進み始めるというわけです。

 ~ 私の願望、ってわけじゃないよ(苦笑)。

 元となる映画の主人公の少年少女が大学生になるのがちょうどその頃になるので、実年齢で中2だった私とを絡め合わせ、そういうシーンを描きました。

 そのパートは、書籍版の2作目の第3章で掲載しております。また、こちらのカクヨムにおきましても、書籍化以前より「鉄道少年マニア君が行く」という作品群の中で掲載しております。


 当時のビラの内容は覚えていませんが、やっぱりそこは、伯備線の特急「やくも」が描かれていたということにして、話を進めました。われながら、小説を書くってこういうことなのかと、いささか不思議な感触を持った記憶がありますね。

 ただ、これを書いていて、自分自身の経験を完全にトレースして書いていくと、話全体が持たないなと思えてならなくなったこともあり、私の影のうちの一人、この作品に出てくる人物につきましては、養護施設は小6の段階で「退所」して親族のもとで暮らし始めたことに設定を変えることにしました。


 小説を書いていくのは、ある意味、鉄道模型の列車を動かしていくのとよく似ているところがあるなと、つくづく実感させられましたね。ジオラマを作って駅や街・そして山や川の自然をつくっていくこともそうなら、走らせる列車とその編成をえらぶことも、ね。そういうのを、自在に作っていけるわけよね、模型って。


 小説は、文字だけでそれと同じことができるわけ。

 金もかからないし、保管場所もさほどかからないときておりますがな。

 昔なら原稿用紙を云々ということだったか知らんが、今どき、パソコンの中だけで基本的には完結しますからね。校正などで印刷してじっくり紙で読むこともあるにはあるけど、それは終われば処分したって一向にかまわないときております。


 小説を書くことって、マジで、「弱者のとるべき戦術・戦略」としてもっと注目されてもいいのではないかと思っているのは、私だけかな?

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