第18話 改めて本作を読み直してみて・・・

 この作品、公開するのをためらっている期間が長く、まあ、こんなもの出してもしょうがないやろなア、なんて思いながら、それでも、意を決してこのように公開した次第ですが、改めて読み直してみますと、いろいろと感慨深いものがあります。


 まず、何と言っても、この作品は小説を書き始めて6カ月目にまとめ上げてとある公募に出したわけね。

 小説を書いてどこかに応募するなんて、初めての経験でしたよ。


 なんだかんだで、これだけよく書けていたなと思う反面、今ならもっとうまく書けるのではないかという気も、しないでは、ない。

 確かに、組立や構成にものすごく力を注いだのは間違いないのだが、半年やそこらで日の目を見られるほどの作品ができるなんて、ないだろうな、とも思っていた。

 とはいえ、時間をおいて改めて見直してみると、案外、よく書けていたのかもしれません。というのも、小説と銘打てる文章を書き始めてこの作品をまとめ上げるまでの間が、約半年。その頃は、それなりに時間が確保できていましたからね。

 それがやっぱり、大きかったようにも思われます。


 もとにした作品や自分の経験を、小説の同じ場面に投影していくのは、何だか、鉄道模型のレイアウトを作ってそこに列車を走らせていくのと似た感触があるように思われます。しかも、走らせる列車一つに絞っても、過去に合った実在に完全に忠実な列車である必要はなく、それを適当に短縮したものである必要もないのね。実在しない列車も、うまく組み合わせて走らせることだって可能なのよ。

 小説というのは、まさに、そのようなもの。

 実在でこそないが、その世界での「事実」をきちんと提示して、そこから一連のストーリーを作っていくわけですからね。そういう意味では、対極にある世界かもしれんが、裁判の訴状や準備書面などを作成することとの共通点も見受けられます。

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