第13話 181系気動車と伯備線

 この「やくも」が運転を開始したのは、新幹線岡山開業時の1972年3月。そういえば、今からちょうど50年前のことになるっけ。

 実はその前年の4月から、大阪から出雲市までの特急「おき」が181系気動車で運転を開始しておりまして、これ、いずれ中央西線の「しなの」の電車化で余る181系をここに投入したという話でもあると同時に、岡山開業を見越して伯備線および山陰本線の運転手のための訓練も兼ねていたというわけね。


 さてさて、岡山開業後約10年弱、181系気動車による「やくも」が運転されました。食堂車も連結し、附属編成3両を含めた11両の、今となっては重厚長大なる列車でありました。

 それが、最盛期に1日6往復。岡山発は9時台から19時台まで2時間おき。


 この「やくも」、山陰方面から岡山そして関西・首都圏方面への乗換えを企図した列車でありますから、昔も今もそうだけど、午前の上り、午後の下りがどうしても乗客が多い。でも、岡山在住の私らからすれば、午前の下り、午後の上りで山陰方面もしくは岡山県北に行く列車、という位置づけ。

 当時は食堂車もついておりまして、なかなか豪華な列車でありました。特に最終の41D「やくも11号」は、松江行で走行距離200キロを割っていたにもかかわらず、食堂車は営業しておりました。岡山19時10分発で、食事時間帯に十分かかる列車でありましたから、売上は、悪くなかったはずです。もちろん、乗車率も。


 さてこの「やくも」、伯備線電化とともに、1982年7月より、381系振子型電車に置換えられ、なんと、40年も経過した今に至っております。

 さすがに数年後には新車への置換が決まっておりますけど、それにしても、ね。

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