姉との再会
_________________ベッドにて……______________
突然だが、皆さんは『抱きまくら』を知っているだろうか?
そう、抱いて寝るアレである。
俗に言う『抱きまくら』はリラックス効果があると聞くが、『抱きまくら』側にもなってほ っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっしいものだ。
というのも、まぁ、現在進行形で抱きつかれているからなんだけど……、
別に、抱きつかれるのが嫌いなわけじゃない、誰だって好きな子がボディタッチしてきたら、嬉しいだろう?
それと同じことだ。
しかし!
蒼の『抱きつく』は、フワッ、じゃない。バキッボキッバキッボキッだ。
下手したら、胸の中で死んでしまうかもしれない。
状況整理ばっかりしていても、きりがないので、眠い目をこすりながら、
ガバっと勢いよく布団を脱いだ、いや、失礼、『起きよう』とした。
よっこいs……
くっ!首が、クビが〜……
もう無理だ、綺麗にヘッドロックをキメられている……
翔は、取られそうになった首を引き寄せようとしたが、ヘッドロックを完全にキメられているため、起きることをあきらめて、仰向けのまま、手探りでスマホを探す。
ガサッ
手を伸ばし、やっと掴んだスマホには、
「ツバサから3件メッセージが来ています。」
「あんた、大阪いるんだって?
なんで、言わなかったん!
早く顔見せんかい!ヽ(`Д´)ノプンプン」
……一応言っておくが、こいつは東京出身だ、大阪出身ではない。
読者の方々のために一言申し上げておくと、
昔から、俺にはめちゃくちゃ気が強いうえに、他のやつには清楚系を気取ってやがる。
姉弟だが、昔からパシリのように扱われており、今も
しかし、こいつも、両親と反りが合わず、喧嘩の末、関西に逃げてきた。
奈良に住んでいるらしいのだが、聞くところによると彼氏はいないらしい。
たぶん、気が強いのがバレたんだろう。
「マルタカフェってところだから、早く来な!!」
「おけ」
時計を見ると、7時30分、そろそろ起きないとな。
蒼が『抱きつく』をやめる方法はひとつだけ、それは……
チュッ
クチビルがくっつくやいなや、抱きついていた手が離れ、俺をプッシュした。
ゴハッ!
突き出した手が、俺のみぞおちにぶっ刺さる。
痛って〜!!
そこまで、するの!?
みぞおちを押さえながら、ベッドの上の蒼の方を見るが、まだグースカ寝ている……。
生存本能というものだろうか、無自覚とは恐ろしいもんだ。
「あおい〜、そろそろおきろ〜。」
思いっきり揺さぶりながら、蒼を起こす。
目をこすりながら、寝ぼけた声で、
「ん、あと5分だけ〜、、、、、」
パジャマ姿の蒼にこんな事言われちゃぁ、許したくなるのも無理はない。
でも、心を鬼にしなければ!
「だめだ。起きな、バイトあるんだろー」
「ほうだっ!!ばいトだ!!?」
寝ぼけながら、パタパタと朝ごはんの支度をはじめる。後ろ姿が可愛いなぁ。。。。。。
10分後__________
「バイト行ってくる〜。ちょっと遅くなるかもー、ごめんね〜。
マルタカフェってところだから、何かあったら連絡してね〜。」
「わかった〜、バイト、頑張ってねニコッ」
「う、うん///////」
蒼は最近まで、最大4個もバイトを掛け持ちしていたらしいのだが、俺との同棲が始まったため、1個だけに減らしてもらった。
別に働かなくても、俺が養えるぐらい金はあるんだがなぁ……。
蒼が出たあと、後片付けを早急に終わらせ、俺も家を出る。
住んでいるマンションの最寄り駅から15分、少し都会の駅に着いた。
え〜と、マルタカフェ、ここだな。
地上に出て、すぐに目についた店は、女受けがとても良さそうな明るい店で、
かわいい文字で『マルタカフェ』と書かれてある。
ん?マルタカフェ?
カランコロンカラン
「いらっしゃいませ〜、何名様でしょうか〜」
「2名で〜、あ、たぶん予約してます。」
「えっと、あ、大家様のお連れ様ですね。こちらへどうぞ〜」
少し入った、窓際の席に案内される。
「こちらでございます。」
「ぁ。ありがとうございます。」
「え、、、、、、、翔くん……!?」
え?あ?マルタカフェ?
はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
家出は出会いとともに、同棲は元カノとともに 須玖 蛙(すぐ かえる) @kotaro14673737
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