楽しみの斬り合い

楽(たの)しみの斬(き)り合(あ)い

 とき江戸時代後期えどじだいこうき幕末ばくまつばれる時代じだい維新志士いしんしし幕府側武士ばくふがわぶしとで、あらころいがひろげられていた。

 これはそのころいのひとつである。


ていっ!貴様きさま維新志士いしんししであろうっ⁈」

「…」

 四人よにん武士ぶしが、一人ひとりがさ武士ぶしかこんだ。

こたえろっ!」

 かこまれた武士ぶしは、そうわれて、ゆっくりといた所作しょさで、がさいだ。

「…!」

 ただならぬ殺気さっきに、かこんだ武士達ぶしたち一瞬いっしゅんたじろいだ。

 維新志士いしんししかたなつかをかけた。

「‼」

 武士達ぶしたちがすぐさま反応はんのうしてかたないた。それにわせるように、維新志士いしんししかたないた。

「…え?」

 かれた刀身とうしんは、…

 ペラペラのかみだった。

 あまりの出来事できごとに、武士達ぶしたち戸惑とまどう。それを維新志士いしんししがニヤリとわらった。

「…え、ええいっ!かまわんっ!れっ‼」

 その言葉ことば呼応こおうして一人ひとり武士ぶしりかかった。

 ブシュッ

「⁉」

 られたのはりかかった武士ぶしほうだった。

“な・ん・じゃ・そりゃあ…!なんかみひとれるんだぁっ⁉”

 維新志士いしんしし益々ますますたのしいというようにみをかべ、したし、かたないため―

 ペリッ

「ぅあ」

 …したやぶれた刀身とうしんかみいていた。

「―」

「―」

「…かかれぇっ‼」

「…いや、ちょっ、むぁ、あぁ…―」

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