サヨリーヌ

《10》

大阪の高校に進学し夏休みにオランダにいる両親の家にサヨリーヌと一緒に遊びに行った。 キッチンテーブルに2人で座ってたら

両親が 大きなどんぶりを運んできて

テーブルに どんって置いて 自分に向かって

2人仲良く 声を揃えて言った。

｢じゃじゃじゃじゃーん！これは

2人で模写して料理した

カバネル『ヴィーナス誕生風海鮮親子丼』

で～～すっ！！｣

えーーっ ええーーっ

うーわっ ほんまや ほんまに『ヴィーナス誕生丼』やあああああ

うーわっ 完全に模写されてるっ

完全に模写して料理されてるーーっ

美味そうっ めっちゃ美味そうやわあああああ

初めて絵画どんぶり食べるかも

絵画を食べるの初めてかな

『ヴィーナス誕生風海鮮親子丼』

食べるのもったいない でも いただきます

サヨリーヌと一緒に親子丼食べてたら

サヨリーヌに生まれ故郷の惑星から戻って来るようにとの指令が入ったようで

サヨリーヌは両親と一緒に 故郷の惑星に行くことにした。

大阪に戻って、推しのアイドルグループのライブに行って 握手会で握手して 2ショット撮ってサインしてもらった。

日付け書きながら｢今日は3の多い日なんだよね～。うちらの世界では｣って推しのサヨリーヌも言ってた。サヨリーヌの世界では3333年3月3日ひなまつり

地球の今は2022年

サヨリーヌは、未来からやって来た宇宙人らしい。

でも、だれにも言えない。言わないでって頼まれてる。

だから、だれにも言えない恋。