自由詩:被虐のプランターゴ
弱くも散るを恐れぬ乙女
傷絶えず
全身に
めぐる蜜が枯れようと
鋭き瞳は
また傷を
されど傷に倒れることなし
羽の一片
髪のひと筋さえ失うことなし
しなやかなるその肉体の
力はなくも
かの
痛み知らずの
プランターゴは
しかれど
行く先々で蜜を散らし痛みに
乙女は痛みを愛と知り
笑顔絶えず己が身に
傷を纏い
向かう虫が絶えようと
鋭き瞳は
また鋭き愛を幾多も
されどそれより相手にする者なし
切り傷のひとつ
打撲のひとつ
骨折のひとつさえ負うことなし
古傷だらけのその肉体の
遠のく痛みと
乙女の星も光を失い
更なる愛を痛みを求めて
死者のごとき
プランターゴは生ける
彼には関わってはいけないと
花も虫も言の葉紡ぎ近寄らぬ
しかれど望み花に頼んで
森の安らぎにも生傷は絶えぬ
眉を
すべての星に足跡残す
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