自由詩:羽なき癒し手のアキレア
羽なき背に地の星々を負い
白き
浅き傷に熱き癒しを
深き傷に燃える再生を
木々の隙間
光射す
流れに角なき
肌でこするがごとき
果てまで届く重き響きには
蜜流す乙女の魂を
宿る
細き指先で
アキレアを知らぬ花はなし
羽なき背に戦地の乙女を負い
長き腕に抱くのは
消えゆく
戦場
死せる傷に
散りゆく傷跡に
木々なき草原
風
花々の
雨に
澄み力なく
蜜失う乙女の魂を
宿る
運命に死せる乙女たち
アキレアを知らぬ花はなし
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