報復を決意する

ユリスは気持ちよく寝ていると、突然入ってきた父親とセバスに叩き起こされた


「ユリス。すまん! 十歳の儀で使う商品が奪われた」


「えー! なんで? 護衛はつけていたはずだよね! 父さん」


「ああ。どうやら裏切者がいて、内部から盗賊を手引きしたらしい」


「護衛は大丈夫なんですか?」


 護衛は裏切りがないように、ユリスを支持するものから選ばれていた


「ああ、ケガ人はいるが幸い死者はいない」


「よかった」


ユリスは安堵していた


「捕まえた裏切り者を、尋問したら第二夫人派のやつに指示されたと証言した」


「やはりそうですか」


このタイミングとなれば疑わないほうがおかしい


「坊ちゃま。どうやら伯爵が介入し派閥争いも激化しているようです。このままでは重要部署のポストも奪われかねません」


「わかった。セバス俺が王家の後ろ盾を得たことを大々的に発表してくれ。牽制程度にはなるはずだ」


「わかりました。王家に喧嘩を売るのと同義と大げさに流しましょう」


「頼んだ」


セバスは部屋をでていった。


「しかし、儀式はどうする? 披露宴の招待状を送ってしまったから今更中止にはできないぞ」


「中止にはさせないよ。ハイエナどもに誰を敵に回したのか思い知らせてやる」


「具体的にはどうするんだ?」


「最初は国内の仕入れで、格の違いを思い知らせてやるつもりだったけど、やめた。国外で仕入れて、白金貨十枚を合格ラインにするよ」


最初から父親が仕入れた物で勝負するつもりはなく、報酬で国内で自分で仕入れたものを売ることに、変更してもらうつもりだった。父親が商人として目利きした物を売って指定金額を目指すのと、自分で仕入れたものを売って目指すのでは、後者の方が難易度が高い。


「ユリス。国外だと商会の手助けは当てにできないよ? それでもやるのか?」


「うん! この勝負で後継者戦争を終わらせる!」

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