その7 オーコメ風全文解説

本文振り返りにあたり、改めて、本作の登場人物一覧を再掲します。



・飛行少年グループ;フライングエイジヤ

降走 満否(ふるばしり・マイナ)(18)被害者の少女

久永 幕透(ひさなが・まくと)(16)元リーダ 5年前に死亡

塑堂 夜日古(そどう・ヨルヒコ)(18)ボス


・性犯罪被害者支援施設;イブンシェルタ

我孫 水夏(アビ・スイナ)(?)イブンシェルタ代表

地場 李花(ジバ・リフラ)(20)被害者 イブンシェルタ利用者

樫武 射月(カシム・イルナ)(19)イブンシェルタ利用者

砂宇土 夜妃(サウド・ヨウヒ)(18)イブンシェルタ利用者



・復讐代行業者;祝多出張サービス

斎市 朱咲(ものまち・すざき)(18)スーザちゃん 二代目店主

祝多(イワタ)イワン(?)初代店主


・略して対策課

徒村 等良(あだむら・などよし)(30)ムダくん 新人

胡子栗 茫(えびすり・トール)(33)課長

瀬勿関(せなせき)シゲル(?)国立更生研究所所長 精神科Dr.



・○○県警察本部

荒種 温大(あれくさ・うんだい)(48)○○県警本部長

小頭 梨英(おず・なしひで)(28)生活安全部少年課 5年前に殉職



・財団あかいにしん

逆灘 覚史(さかなだ・さとるし)(31)環境人格研究所邦内最年少世代分室室長 小児科Dr.




5.オーコメ風本文全解説

>以下が引用。

引用に続く段落下げの文章が、解説文です。

解説なのでシリーズ全部に渡るネタバレを含みますのでご注意。



第1章 不治山富士



>「おネイサン?」

 この0は初稿からほぼ手を入れずに残ってる部分ですね。どうしてカタカナでカタコト風なのかというと、声をかけているガキが対象を女だと認識していないから、ていうのと、小学生だから漢字がよくわかっていない知識上の問題を含ませたつもりでした。いま見ると単にカタコトの怪しい外国人風に見えますね。表記失敗してます。だいぶ前に書いたので、未熟な分は否めないかなあと。いまもう一回書くなら奇をてらわずに「おねえさん?」にしますね。いっそ直すかな。


>意外と声が低くてビックリする。僕がガキだと思って油断したんだろう。駄目ですよ。営業用の声を作らなくちゃ。

 ところでこのお姉さん、誰だと思います? 作中に明記していたかアレですが、胡子栗の過去バナか、地場リフラさんですかね。


>お姉さんには。穴が一つしかなかった。

 単に下品なだけですみません。なんだまた女装か、とあきれていただければ。そもそもの意図はただ「女じゃなかった」ていうことを間接的に書きたかっただけだと思いますね。



0リン5


>Minor 〉 ホンモノだったって?

 あの瀬勿関先生ですら匙を投げて収容施設送りにしたマイナちゃんですね。マイナちゃんの初出は別シリーズなのでそこでも触れようと思いますが、彼女の名前の由来は、プラス・マイナスです。なので降走満否(偽名ふらす・まいな)(本名ふるばしり・みつひな)なわけです。彼女(?)のヴィジュアル設定もどこかで出せたらいいですね。


>Recorder 〉 外だけだ

 裏話中編の表紙を飾ったヒサナガ君ですね。賢いリーダなので、利口だ=リコーダてことですかね。いや、うすら寒いとか思っていただいて構いませんけれども。コードのスペルがcodeだったら暗号とか規則とかになるんですが、cordだと紐とか電話とかのコードですね。調べましたら、codeだったら心肺停止患者とか死亡するて意味もあるらしいです。こっちにすればよかったか。今更ですけど。そうしたらre+code+erで再死者てことになりません? 無理やり感強いですかね。


>Phobos 〉 次の手だけど

 裏話後編の表紙を飾ったヨウヒちゃんですね。ボスという音から発想して、フォボスになりました。名前決めのメモに、カボスとかあって笑いました。さすがにカボスはないですね。他候補は、タルボスとかセティボスとか。


>Stomachache 〉無駄だって

 くえいまく・とをる君でしょうけど。ええと、彼の正体はどうでしたっけ? 死人の幽霊だったか、胡子栗のなりすましアカだったか。読み直しがてら思い出しますね。


第1章 不治山富士フジヤマフジ



>「わたくし、実家に帰らさせていただきますわ」

 あ、ちゃんとありましたね。初稿と第2稿にもあった台詞です。第3稿だけ実行してませんけどね。他のはガチで帰りましたね。なんで帰ったのかと言うと、帰るのが目的というより、展開的にスーザちゃんが不在でも話が成り立つのかやってみたかったんだと思います。結果は火を見るよりなんとやらで、実際に帰ったアレコレはボツになったわけで。


>白に白を重ねているのでどうにも不穏な連想に結びついてしまっていけない。

 本作は秋なので、白虎と対応するので、色は白ですね。


>17時02分。

 前作でも触れたかもしれませんが、ムダ君の時報は、単に作中の時間経過をわかりやすくする意図もありますが、何かの語呂合わせになっていることも多々あります。この場合は、夕暮なので17時なんですけど、02分は、「ビイベシリーズ2作目」という意味かと思われます。夕暮れスタートなのが、胡子栗課長ぽくていいですよね。


>こんなに何もしなくても給与はきちんと振り込まれているし。

 警察組織の外にいるムダ君の給料て、そういえば誰が振り込んでいるでしょうね。胡子栗か、スーザちゃんか、或いは祝多さんか。瀬勿関先生は違うでしょうし。よく考えたらかなり不透明なおカネですね。


>「先生元気かなあ」

 ムダ君が瀬勿関先生に気があるような描写が割とちらほら見られるかと思うんですが、3作目でも改めて触れますが、これは、スーザちゃんへの牽制という意味と、あとはムダ君は年上好きなんですよ。年上というか、身も蓋もない言い方をするなら、マザコンですね。


>19時42分。

 しまったな。1作目で時報の解説まるっと落としてたかな。(未確認)

 まあいいや。本作からやります。

 冒頭から2時半半も経ってたらしいですね。語呂合わせで、「死に(42分)に行く(19時)」てのをやりたかったから結果として2時間経ってたのかもしれませんね。


>19時58分。

 地理的でローカルな話をしますと、対策課があるのが栄で、研究所があるのが豊川あたりなので、16分で移動は無理ですね。ということは、瀬勿関先生は対策課のすぐ近くで何かをやっていたことになります。県警本部が眼と鼻の先なので、そこらへんが妥当かと。もしくはただ単に買い物中だったとか。服とか。

 ああ、語呂合わせでしたね。何だろう。ちょっとわからないですね。ゴヤ?


>「ムダさんは、以前どちらにいらっしゃったの?」「飛ばされる前ってこと? ううん、どこだろ」国内と国外を行ったり来たり。

 これ、何気ない確認に見えますが、ムダ君とスーザちゃんの高度な駆け引きが含まれています。スーザちゃんはもちろん事実も、ムダ君が何と回答するかもわかっていて質問していますし、ムダ君のほうもスーザちゃんのその意図がわかった上で敢えて濁しています。国内と国外を行ったり来たり、という部分はあくまでムダ君のモノローグなので、スーザちゃんには直接聞こえていません。が、その部分もスーザちゃんにはお見通しでしょう。


>フライングエイジヤ

 フライングエイジヤの和訳は、そのままずばり「飛行少年」です。非行が飛行に文字ってあるという胡子栗の謎センスですね。もしかすると表記が作中でごっちゃになってるかもですが、エイジヤが正しいです。エイジヤは、ティーンネイジャーのエイジヤです。エイジアだとアジアになってしまうので。間違ってるの気づいたらちまちま直します。


>「まさか入ってたとか言わないよね?」逃走課長。たった五年前じゃ、少年とは認定されないだろうが。「もしくは創始者とか」

 テキトーに言ったのにずばり正解してるムダ君の勘の良さ。警察関係者のキャラてシリーズ通して結構存在するんですが、ムダ君は割とパラメータ的に規格外の設定があったり。


>20時20分。

 これも単純に、2作目ですよ、の意味です。




>途中で公園を横切る。敷地の中央に大きな噴水があり、昼間は家族連れや二人連れの憩いの場所となる。

 これ、またもローカルな話題で申し訳ありませんが、白川公園です。美術館と科学館があります。


>久永幕透が確かに生きていないという物証なら。

 胡子栗課長の視点だと混乱をきたしますね。音声で再生したら一発でわかりますが、敢えてフリガナ振っていません。2作目を最後まで読むとある程度見当は付きますが、久永幕透は「くえいまく・トヲル」と読む場合と、「ひさなが・まくと」と読む場合の2パターンあります。前者は、胡子栗がガキだった頃に本名(小頭梨英)が気に入らなくて自分で付けた名前ですが、後者はかつてフラングエイジヤに所属していたメンバの一人です。たまたま同じ名前だったという。胡子栗とは別人です。フラングエイジヤのチャットに出てくるリコーダーことリーダーもヒサナガ君ですが、まあ、順次見て行きましょう。


>切った。電話越しの声というのは至極本人とはかけ離れている。

 いわば電話トリックですね。最終話でも出てきますが、胡子栗が電話で話している場合、その相手とされる声は、胡子栗の脳内から聞こえている可能性があります。ついでに、ムダ君は小さい頃から毒の香を吸いすぎたせいで、観測する視点が歪んで知覚認識される可能性があります。ミステリィじゃないので、こうゆう禁じ手が割と出てきますので要注意ですね。


>20時30分。

 1-3に入ったので、その「3」ということでしょう。


>降走満否

 彼、じゃなくて彼女の本当の名前は、「ふるばしり・みついな」です。マイナのほうが音が可愛いからそう名乗っているだけですね。じゃあなぜ、彼女を保護したときの記録がマイナになっているかというと、瀬勿関先生が名前の真偽にこだわりがないためです。なにせぶち込んだ研究対象に等しく「登呂築」と付けるくらいですので。それか、彼が彼女になった後、記録を上書きしたか。そっちのほうが自然ですかね。


>自室にて死亡を確認。「これ、確認したのは」死因は首吊り。

 死んだのは、彼のほうでしょうね。そして彼女が蘇った。地獄の淵から。


>「甘味料のやつはまだ見つからないのか」「捜していませんわ」「朱咲。いい加減に甘やかすのは」

 この流れ好きです。スーザちゃんと瀬勿関先生は、随所でマウントの取り合いしてるのでそう思って会話を見ると違う発見があるかもですね。


>20時45分。

 これは簡単ですね。死後(45)です。


>「あら、昨日観たケージドラマで仰ってましたわよ?」「それたぶん再放送だよね。

 これも叙述というか、表記トリックですかね。スーザちゃんが観たのは刑事ドラマじゃないんですよ。ケージドラマなので。そういえば、ケージという名前の紛らわしい刑事が主役を張っている作品があるんですよ。『わたしは永遠がほしい』ていうんですけどね。


>20時53分。

 時報という名の語呂合わせ大会は続く。誤差(53)か、ゴミ(53)ですかね。あるいは誤算(53)か。


>スーザちゃん。もしかしなくても、ものすんごい強い?

 このシーンですね、実はスーザちゃんが勝手に動いたんですよ。勝手にクソガキを蹴散らしちゃったんです。というわけで、筆者のリアクションもムダ君のリアクションとまったく同じでしたね。



続きを書けたら追加します

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エリストマスク裏話 伏潮朱遺 @fushiwo41

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