　「彼女」と「ジェローム」、二人の暮らす空間で進んでいくお話しです。

飼い主の「彼女」と猫の「ジェローム」こと「おれ」の二人きりの幸せな部屋にある日闖入者たちが現れます。

「おれ」は、入れてもらえない部屋にいるソレが気になって仕方ありません。

　ある日今まで締め出されていた部屋に入れてもらえた「おれ」が見たモノは、「檻の中に閉じ込められ」た赤ちゃんたちでした。

それを見た「おれ」は「へっ、なあんだ。」と安心します。

　ところが「追いだ」されると思っていた「ガキども」はすっかり居ついてしまいます。

「彼女」からも厚遇される「ガキども」に「おれ」は気が気ではありません。

その上「ガキども」は「おれ」に懐く始末。

　作者様のところには実際に猫がいるのでしょうか？

「おれ」のとる行動が、見えるようにリアルに描かれています。

「おれ」が頭の中でいろいろ考えていることも、猫ならそんな風に感じるんだろうなと思わせます。

多頭飼いしている方には、『あるある』なのではないでしょうか？

　あくまで「おれ」視線でお話しが進むので、「彼女」の都合とか理由はわからないままなのです。

そこも説明的にならなくて面白いと思います。　

　猫の「ジェローム」の葛藤のお話し。　

どうぞご自分の目で確かめてください。

「もう、可愛いんだから！」と、柔らかい毛皮を撫でたくなりますよ。

　　　◇　◇　◇

烏丸千弦様作

慕い、焦がれ、想いに揺れる。10篇のオムニバスストーリーより

Track 04 - Jealous Guy

｢彼女はおれだけのもの｣

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