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目次
早春歩
詩川貴彦
第1話 春が行ったり戻ったり
「春が行ったり戻ったり」
二月も半ばをすぎるころ
春が行ったり戻ったり
晴れたと思えば雪になる
コートをとれば寒くなる
山では木の芽が待っている
クマもウサギも待っている
ぽかぽか太陽いい気持ち
それでも午後から雪になる
森では小鳥が鳴いている
落ち葉に隠れて待っている
春さん そろそろがんばって
冬さん そろそろいいでしょう
街ではお店も春支度
気分ウキウキ待っている
春になったらいい陽射し
パステルカラーの町並みを
二人で並んで初デート
二月も終わりをつげる頃
なかなか来そうで来ない春
忘れたように雪が舞う
なんだか冬もいとおしい
冬も行ったり戻ったり
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