【極東編】Interlude.Ⅰ 太田豊太郎の奇妙な冒険 −The Tale of the Undersea Warship−

Epigraph Interlude.Ⅰ


 アゝ、エエヤン、エエヤン。御一新。我ラガ明治レェボリウシオン。

 散切リ頭ヲ叩イテミレバ、文明開化ノ音ガスル。

 帝都ニ溢レル蒸気機関、ガタゴト・シューシュー、ガタゴト・シューシュー……。


 三代目針宇土亭雑魚師匠による当時の流行歌




 チャアルズ・バベエジ氏の解析機関がもたらした情報レェボリウシオンは、今や我が国をも飲み込んだ。帝都だけでなく、町々や村々にも電信が張り巡らされ、海底ケエブルによって、大陸ともつながることができた。

 しかしながら、時流は帝国主義インペリア・リズムなり。日本は世界随一の海国たらねばならん。

 今や東亜細亜の情勢は風雲急を告げている。北方より広がる怪雲に覆われ、叫ぶのは疾風ではなく戦闘の砲声であり、閃くのは雷光ではなく剣影や砲火である。

 諸君、覚悟はよろしいか。


 太田豊太郎著 民明書房刊『明治バンカラ外交秘史』より引用



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