第2話 紅蓮の記憶


あれから数年が過ぎていた……


ナイは毎晩のように見る夢に、今日もうなされていた。


それはあの日、

自分が囚われ引きずられるままに振り返ったかつての故郷、

泣き崩れる両親が遠く見えなくなった辺りで、

町に火が放たれ、紅蓮に染まる夢……


「父さん……母さん……」

自分の寝言で目を覚ましたナイ……


現実では独房に入れられ、白湯のようなご飯を1日1回きり、

事あるごとに外に出されては、屈強な戦士と戦闘訓練をさせられ、

反抗すれば、ただちに魔術師によって拘束された。


ここがどこなのか、自分はなぜこんな仕打ちを受けているのか、

両親がどうなったのかえも分らぬまま、

ナイの心をすさみ、影を落ちしていた……



続く。


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バーサーカーより愛をこめて…… 笠置エナ @ena-kasagi509

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