第14話

 やっぱり魔物を倒さないと効率よくレベルを上げれそうにない。だけどなかなか踏ん切りがつかず、訓練開始より訓練を毎日続け、気がつけば二ヶ月が過ぎた。


 あと一ヵ月とちょっとでレベルがあがりそうだ。魔物......魔物かぁ。やっぱり怖いんだよね。


 ゲームではこの辺りはまあまあ強い魔物が多く出現していた。


 僕が住むマチカネ村に主人公が立ち寄る事が可能になるのはゲーム中盤以降となる為この辺りの魔物のレベルはまあまあ強い設定にされていたけど、それはあくまで主人公の強さが基準になっているだけで、農民の僕にとってはかなり高レベルとなっている。


大体レベルでいうと20〜30ぐらいの魔物がメインだ。魔物は人間と比べてステータス値が高い為、ゲームでの対魔物の推奨レベルは魔物のレベルより大体+5〜10となっていた。これも主人公を基準にしているので農民の僕の場合はもっとレベルが必要だと思う。


 レベル5〜10ぐらいの弱い魔物も、少しは出現していたけどゲームとは違って弱い魔物と戦っている間に強い魔物から襲われる可能性は十分あって、非常に危険だ。


 武器や防具も持ち合わせない僕にとっては魔物を倒してレベルアップを目指すのは難易度がかなり高い。


 ちなみに魔物は森から外に出てくる事は滅多にないようなのでマチカネ村が長い間、魔物に襲われず存続できている理由だ。


 ただ強い魔物を倒すという事は不可能ではないと思う。父ちゃんや母ちゃんにこの辺りで生息している魔物の種類を聞いてみたがゲームと全く一緒だった。


 それぞれの魔物の弱点や行動パターンは大体分かるのでそれらを利用すれば勝機が無いこともないけどそれはあくまで本当にゲームと弱点や行動パターンが一緒だった時の場合のみだ。


 やはりゲームと現実とでは色々と違いがあったりするので魔物についてもなんらかの違いがあるかも知れない。


 そうなるととてもリスキーだなぁとか考えちゃうとなかなか魔物と対峙する事に踏ん切りがつかない。


 だけどこのままじゃ一向にレベルが上がらない。早くお肉が食べたい。取り敢えずあと一か月程訓練を続けてレベルを一個上げよう。その間に具体的な魔物対策を考えよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る