おまけ
これは、ジャンがエヴァに心境を
***
妹と二人で行動することが多い俺は、
父と妹のやり取りに思いを
「・・・・・・らっしゃい」
・・・・・・この人は、また誰もいないからって煙草吸って。気だるそうな妹の想い人にも一つため息がこぼれた俺は、カウンター席へ足を向けた。ほんと、いい人なんだけどなぁ。人と関わるのを極力避けているんだよ。まぁ、周りというか前王の
「一人か?」
「エヴァが気になります?」
「いや・・・・・・いつも二人でいるからってだけだ。そんで、食ってくんだろ?」
勿論食べては行くが、早くない? 俺、まだ返事してないんだけど。調理台へいそいそと移っていたジャンさんは、返事を待たずにジュッと溶きたまごをフライパンに流し込んでいた。美味しいからいいんだけどさ。さて、今日は何の肉が入るんだろう?
「今日は何の肉ですか?」
「ん? ああ、昨日西の森で依頼中に出てきたホーンラビットだな」
「ホーンラビット! また食べたかったんだよね~」
「お、そんなに気に入ったのか? なら、今度エドガルドが来る時用に取っといてやるぞ?」
「お願いします! ジャンさんのホーンラビットは
「そーか。それはよかった」
ジャンさんが狩ってくるホーンラビットは、他の店と違って全く
前食べたホーンラビットを思い起こしていると、香ばしい特性だれの香りが目の前に降りてきた。
「昨日はガリコを塗ったトーストだったんだが、いい時に来たな。今日のお供は塩の握り飯だ。いるか?」
「いる!!」
「ハハッ! わーったよ。ちと、先食って待ってな」
言われた通り食べて待っていようと、ふわふわのたまご焼きにフォークを入れる。とろりと垂れる良い感じに半熟ぐあいの黄色の衣を
一口
一口だけで胃も心も旨いたまご焼きに支配された俺に、更なる支配者が召喚された。
「
渡された握り飯とともに再びたまご焼きに手を伸ばした俺は、早くエヴァに落とされてしまえなんて頭の中で
妹の想い人とともに他愛もない話をしながら、たまご焼きをつつく。エヴァ、早く来ないかなぁ。
ひねくれジャンのたまご屋 蕪 リタ @kaburand0
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