6-6 ただ君を愛している R15

 石鹸の香りがする白い肌に唇を寄せ、濡れた音を響かせながら赤いあとを散らしていく。引き締まったウエストを指先でなぞりながらサリーを引き寄せた。


 長い年月、積もらせた思いが実るのだ。過去の残像ではなく、今、愛しい人が腕の中にいる。


たぎらない方が、どうかしている)


 照れ隠しなのか、視線を逸らして唇を尖らせるサリーの愛らしい仕草に、いっそうのこと体の芯が熱くなった。

 もっと、他の表情を見たい。その衝動に任せ、言葉を紡いだ。


「愛してる」

「ふふっ、ありきたりの口説き文句ね」


 モーリスが当然とばかりに囁けば、サリーは面白そうに笑う。


「嫌か?」

「ベタなのも、嫌いじゃないわ」


 甘い息は吐きながら「むしろ好き」と小さく言ったサリーは、声を詰まらせて身を固くした。

 唇が触れ、焦らすような口付けをその全身に浴びせる。

 次第に色づくその姿を愛しく思いながら、モーリスは時おり震えながら名を呼ぶ、掠れた声に耳を傾けた。


(──もう考えるのは良そう)


 納まる場所を見つけた劣情が、歓喜に打ち震えていた。

 今までの時間を埋める様に、モーリスは震えるサリーの体を抱きしめる。それに応えるように、サリーもまた──


「……すき……モーリス……っ!」


 熱に浮かされながら、愛しい人の名を呼んだ。








**********

以前に載せていたバージョンはR18だと警告を受けたので、こちらのシーンは大幅改編をいたしました。

R15への考えが浅はかでした。

応援くださった皆様、申し訳ありませんm(_ _)m

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