4話 初恋
数日後にはもうすっかり馴染んでいた。
辛いことばかり考える夜も、みんなとお話しした。
一人でさみしいときは話しかけてくれた。
私が何か言うと、無視しないでくれた。
その中でも、ある女の子は私を妹のようにかわいがってくれた。
私のことを呼んでくれたりもした。
私は、いつの日か、彼女に恋をした。
必要とされたいと思ってしまった。
役に立ちたいなんて、会いたいなんて思ってしまった。
ああ、恋をすると人はなんて欲を持つのだろうか。
生きる価値どころか、彼女に私の価値を認めてもらいたいなんて。
それでも、不思議と高揚感にあふれていた。
苦しいはずなのに、辛くも嫌でもない。
これが「恋」というものならそれは、どんな感情よりも素晴らしいものだ
欲を持つ様な醜さも、すべてを含めてこの感情が愛おしくて堪らない。
私は、初恋をした。
苦くて、甘くて、幸せで、不幸な恋だ @siturennsyouzyo
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