3話 生きる価値
心のどこかではきっと、期待を捨てきれていなかった。
だからずっと苦しかった。その苦しさをまぎらわそうと推しに依存した
誰かに依存したかったのだ。
誰も信じていないのに誰かに依存したいだなんて馬鹿な話だろう。
それでも、どんなに辛くても私は、一人が怖かった。
拒否されても、嫌がらせを受けても、一人になりたくなかった。
推しに依存して、心を病んで、もがき苦しんだ。
会えない人が愛しくて堪らなかった。
画面の中はいつだって別世界だった。
だから、仲間に入れた時、私は涙が溢れた。
喜びで涙が溢れるなんてことが、本当にあると私は知った。
そして、人との会話の楽しさを知った。
私が、私じゃ無くなったみたいに明るい気持ちになった。
躁鬱の症状とは違う、心からの喜びを感じたのだ。
この時が一生続けば良いのにと何度願っただろうか。
そうして私は、タイムリミットを忘れて、世界へと入り込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます