I hope you know how much you mean and how happy you always make me.

【人物紹介】


春夏冬 朱稲(あきなし あやね)

 24歳。茶髪を緩く巻いたロングヘアに茶色の目。美容師をしている。

性格は明るく人懐っこい。また好きな事への努力は欠かさないタイプ。いつもニコニコ笑っているが怒ると怖い。

高校の同級生である鳶くんとは美容師になってから職場にやってきたときに再会し、それから連絡を取り合う仲になった。

先日、鳶くんが就職したら付き合ってほしいと告白されて、その日を楽しみに待っている。


笹宮 鳶(ささみや とび)

 24歳。赤髪で赤目。以前はそれなりに遊び歩いていたが、色々あり、バイトを始め今は就活中。

性格は気さくで優しい。いざという時に勇気が出ないこともあったりする。

 とある一件から、朱稲に好意を寄せており、先日就職祝いに何が欲しい?と問われたときに、付き合ってほしい。と伝えた。



朱稲side


2月14日。つい最近とある件で鳶くんへの自分の気持ちを理解したその日に、鳶くんから気持ちを伝えられた。

就職祝いにっていう事だったから、正式に付き合うのは早くて2か月先の事だけど、どこか落ち着かない気持ちで、仕事に向かっていた。

そんな日から数日しかたっていないけれど、今日はバレンタイン。

まってる。そう伝えたけれど、バレンタインは、プレゼントしてもいいよね…?

そう思って、昨日作ったドーナツと、最近よく食べているロリポップキャンディーをいれた袋を持ってきた。

帰りにでも鳶くんに届けに行こうと思って。

「朱稲さぁ~最近ずっと上の空だけど、笹宮くん?だったっけ。彼と何かあったわけ~?」

そんなことを考えているとニヤニヤ笑う先輩に声をかけられてハッとする。

『えっ!?あ、えっと、あったといえばあった…んですかね。』

まだ正式にお付き合いしているというわけでもないし、どう答えるのが正解なのかな…と、慌てていれば、

「へぇ~!ようやく自分が笹宮くんのこと好きだって気が付いたかなぁ?正直に吐いたら今日の仕事は少しだけ早く切り上げさせてあげようっ!」

先輩は私の気持ちも何もかもお見通しのようだった。

『…実は……』

私は鳶くんとのあれやこれやを話すことになり、そして、いつもよりも早上がりする権利をゲットしたのだった。


夕方。鳶くんに連絡を入れれば休みだったのかすぐに返事が返ってくる。

そのまま通話のボタンを押してかければ、数コールの後声が聞こえてくる。

「もしもし、朱稲?どうした?」

『こんにちは、鳶くん。普通にLINEでもよかったんだけど、…声が聴きたくなって。』

朱稲と呼んでくれるこの声が当たり前ではないことを知ったから。

それを知ることになったつい先日の電話の事を思い出してそう告げる。

「え、あー、…そ、そうか。」

電話越しに少し照れたような声が聞こえてきてこちらも照れてしまう。

『あ、あのね、鳶くん今って少し出てこれたりする?』

「あぁ、別に大丈夫だけど…。」

『ほんと?じゃあ、鳶くんの家に今向かってるから、近くの公園に集合でもいい?』

「分かった。…気を付けてな。」

『うん。鳶くんこそ、近いからって油断しないでよね。』

そう言って電話を切る。あの時からまだそう日にちは経っていないから、まだ少し心配なところはあるけれど、でも言葉でちゃんと気を付けてって伝えたから、大丈夫。

そう思いつつも少し歩く速度が速くなるのは、しばらくはしょうがないのかもしれない。


公園に行けばいつもそこでのんびりしているのか、ベンチに腰掛ける鳶くんがいる。

『鳶くん。お待たせー。』

「朱稲。仕事おつかれ。」

声をかければ視線が合って、優しく言葉をかけてくれる。

『ゆっくりしてるとこごめんね。どうしても今日会いたくて。』

「大丈夫だ。その、俺も会えて嬉しい、し。」

頬をかきながら照れた様子でそう言葉を告げる鳶くんの様子に、自分の発言が少し恥ずかしくなって。

『えっと、鳶くん。今日バレンタイン、だから、これ…。』

「もらって、いいのか?」

『いいも何も、鳶くんの為に作ったんだし、当たり前だよ。まずくはないと思う。』

「そうか、ありがとな。…すごく嬉しい。」

差し出した袋を受け取った鳶くんは、そう言って笑う。夕日に照らされたその笑顔はとても綺麗で。

『ううん。こちらこそ、…もらってくれてありがとう。』

その笑顔につられてこちらも思わず微笑んだ。


バレンタインに送るキャンディーは「あなたが好き」「長く続く関係でいたい」、ドーナツは「あなたが大好き」。

鳶くんと再会したあの日からの毎日は、本当に毎日楽しくて、色々なことがあったのはいいことだけではないけれど、でも、それでも大切なことを知れた出来事だったから。

この先もずっと、鳶くんと共に過ごしていきたいって、この想いを今日は届けさせてね。

鳶くん。大好きだよ。ハッピーバレンタイン。


---------------------------------------------

I hope you know how much you mean and how happy you always make me.:あなたが私にとってどれだけ意味があり、あなたがいつも私をどれだけ幸せにしてくれているか、あなたが知っていますように。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自探索者のバレンタイン リーラ @riyra

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ