第13話 偏食と酒の肴
怪獣さんは子供のくせに妙な食べ物が好きでした。
刺し身の、ツマ。もずく。タコの頭。ゲソ。鮭とば。スルメ。ホタテの干し貝柱……
おっさんです。
料理中、タコの煮付けとか、イカの煮付けとか作って、テーブルに置いておくと、タコの頭だけ全部やられる。イカの足だけ全部持っていく奴がいる。
っていうか、それ、子供がつまみ食いするような物??
十勝の小学校の修学旅行は札幌でした。列車の中で食べるおやつを持っていってもいいと言われた怪獣さんは、リュックに「鮭とば」を入れようとして、母に阻止されます。
「飲み会か?」
鮭とばというのは、簡単に言うと、鮭の干したやつ。製法はよくわかりません。調べて下さい。(横着か!)まぁ、酒の肴ですね。
怪獣さんリクエストのお弁当。面倒くさいから嫌だ、と言いつつサンドイッチを作り、持たせました。「面倒くさいから作らない」と言う私の言葉を信じて、心配して
列車に乗るなり、怪獣さんは、先生に聞きます。
「先生、おやつ食べてもいいですか〜?」
先生、普通に、
「おう、食べていいぞ」
すると、おもむろにリュックからスルメを取り出す、うちの怪獣。
先生、腹筋崩壊。
隣近所の友達とスルメを分けて食べていると、他のみんなが欲しくなったらしく、車内販売でスルメや酒の肴を爆買いしたそうで。その時の様子を学級新聞で知りました。
鮭とば阻止したのに、先にスルメが入っていたとは……。
恐らく、その車両ごと酒もないのに酒の肴臭が凄かったと思います。一般のお客様、ご迷惑をおかけしました。
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