第4話 移動コマンドとイリュージョン

 歩く、を9ヶ月前に覚えたと思ったら、翌日には走っていた怪獣さん。


 お姉ちゃんが、なかなか歩くことができるようにならず、そこから走るのにも凄く時間がかかった分、次の子には手間がかからぬようにとの、神様のありがたいはからいだったのかもしれません。


が、翌日走れるようにして下さらなくても……(泣)。


 もー、そこから常に移動コマンドが「走る」。お姉ちゃんがゆっくりしか歩けない分、これにはホントに困りました。


 仕方ないので、怪獣さんをベビーカーに乗せ、お姉ちゃんの手を引いて歩いていると、あれ?なんかバランスが……? ふと怪獣さんを見ると、縄抜けしてる!! しかも、ベビーカーの上に立ち上がろうと!!

 帰りは、お姉ちゃんをベビーカーに乗せ、怪獣さんを小脇に抱えて帰りました。


 ちなみに、怪獣さんは、車のチャイルドシートでも縄抜けしたことがあります。シートの上でバンザイポーズを取っていたのをルームミラーで見た時には、叫んでしまいました。


「イリュージョンかっっ!!」


ちゃんと装着してた筈なのに……。なんで脱出できるのよ、お前は。引田天功さんに弟子入りさせるぞ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る