第3話 ネギ

 まだ歩けなかった時は、ベビーカーでお買い物。私は平衡感覚が危ういので、自転車に子供と荷物積んで、なんて器用なことはできず、いつも徒歩でお買い物でした。


 ある日、怪獣さんを乗せたベビーカーを押して買い物を済ませて、自宅まで帰ってくると、同じ社宅に住む奥様方が、ニコニコして、一言。


「あらぁ、よかったねぇ。ネギ買ってもらったの〜」


「は?」

ネギ…? ネギ?? 何故ネギ? いや、買ってないよな、ネギ。

「ほら」

怪獣さんの手にはネギ。の、青いとこ。


 いーつーのーまーにー(泣)。


 スーパーにネギの青いとこだけ返しに行く必要もないと、奥様方が言うので、そのまま、万引きして帰りました。


●ルエツさん、すみませんでした。

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