第1話

 第一章 少年、転生す。


 目を開ける。すると旧は見知らぬ森で倒れていた。


 あの高度から落ちて助かるはずはないし、ましてや至近距離で爆弾が炸裂したのだ。なら自分はどうして生きているのか。なんて思いつつ、周りを見渡す。


 視界に映ったものは、


 前→森。


 左→森!?


 右→森!?!?


 後→森!?!?!?


 そう、辺り一面森である。


 そして持ち物確認。


 その結果。


 何から何まで落としてきていた。


 それに気付いた旧は、終わった~!と叫び、気を失った。


—大体10分後。


 ゲゲッギャギャ!


 頭上を飛んで行くやけにサイケデリックな色調の鳥に言葉を失う。


 なぜかって?


 それは、その鳥に羽が6枚あったからである。明らかに地球上の鳥ではないその姿に再度言葉を失う。


 さすがにテンパってきた旧。じゃあ空でも見て落ち着こうと空を見上げる。


 すると—


 ふたつの太陽が輝いていた。


「!!!???」


 さすがに許容量オーバーになってきた旧とっさに出た言葉は


「ステータス、オープン…なんてネ、ハハハハハ…」


 そう、ラノベのお約束である。


 思わずラノベのお約束をやってしまったが、こんなことで収しゅうがつくわけがない。溜息をついたとき、


 BuN!


 出てきたのは、ラノベおなじみのステータス画面だった。


 さて。そろそろ旧は許容量が限界だ。


 これで完全にここがISEKAI=異世界だと分かった旧。


 ここはいったん開き直ることにした旧。


 先ほど出てきたステータスに目を向けると、大体こんな感じだった。




———【ネロ・マーリン】 ステータス——


 HP1520/1540 SP20%


 MP1201/1210 種族 人間




 スキル————————————————


【完魔変成】


(発動条件HP・MP  MAX)




 ふつうにラノベに出てくるステータス画面だった。


 ラノベで培った知識からすいさつすると、MPは魔力、HPは体力、SPは空腹度のことだろう。


 そして、おそらくこのステータス値は一般人以下である。よくあるパターンとしては…


「このスキル、だな…」


 そう。スキル欄にただ一つあったスキル


【完魔変成】を発動させることがこの状況を打開する策になると判断する。


 そのためには腹をいっぱいにすることと、体力を回復させることだろう。


 そのために旧は行動を開始するのであった。




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とある異世界生活記 夢幻商会 @mugenshoukai

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