第10話 夜の太陽

「で、昨日の銀行強盗は何て言ってたんです?」


 運転席のカケルがハンドルを右折しながら、俺に話しかける。

 俺とカケルは、結婚してない。

 でも、愛してるかと言えば、これは一応愛してるというのだろう。


「夜の太陽だ……」

「夜の太陽?!」

「ああ。最近、巷を賑わせ始めている謎の組織だ」

「本当に存在するんですか」

「間違いなく存在する。なぜなら俺は、以前、勧誘されたことがあるからな」

「本当ですか」

「恐らくな」

「おそらく?」

「俺のパソコンに一通のフリーメールが来たことがあるんだ」

「何て?」

「あなたの夜空に星はない。あるのは黒い太陽だけだってな」

「いたずらメールじゃないんですか?」

「俺も初めはそう思ったよ。しかし、次の日、これが送られて来たんだ」


 そう言って、俺が懐から取り出したのは、ビー玉くらい大きい宝石だった。


「オーパーツ?!」


 それにカケルは目を点にする。

 思わず急ブレーキした。


「間違いなくな……」

「大丈夫なんですか! はじめさん! 私たちがそんな物所持していて!」

「関係ねぇ……」

「えぇ?」

「俺は、必ずこのオーパーツの謎を壊滅してみせるんだ」

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絶対悪は許さない 獅子雄誠 @sisiomakoto

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