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「ああ、高校の時、部活で小夜先輩が言ってたんですよ。

『好きな花は金木犀』だって」


小夜の高校生活最後の日に、『互いに花を活けて、贈りあおう』と言う話が、私と小夜の元で挙がった。


その時、私に好きな花を尋ねられて、小夜が答えたのが、金木犀だった。


「偶々思い出したんです。だから、先輩の棺には、絶対に金木犀を供えようと」


「変ねぇ…。あの子、金木犀は嫌いだったはずだけど」


「…え?」


「いつだったかね、あの子にお見合いの話が来た時、相手の人が金木犀の花を贈ってくれた事があったのよ。

けど、あの子、その時きっぱりと言ったの。

『金木犀は好きじゃないので』って」

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