4
ちなみに、私はイベリスの花が好きだなんて話を、彼女とした記憶もないし、そもそも、イベリスの花を好きでもない。
久しぶりに、高校時代の先輩から送られてきた物の不可解さに、私は、凡そ二十年の時を経て、萩原小夜に連絡をとることにした。
しかし…
「虫の知らせ、だったのかしらねぇ…」
小夜は、二ヶ月程前から、体調の不調を訴えるようになったらしい。
医者からは、疲労によるものだと言われたらしいが、それからしばらくして、息を引き取った。
死因は脳梗塞。
自宅で眠ったまま、目を覚ます事はなかった。
そんな小夜が、私にイベリスの花を送ったのは、その亡くなる前日の事だった。
「変わってないですね、先輩は。高校の時のまんまでした」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます