3
「そうですね。もうそのぐらいになります」
「今日はありがとうね。まさか、杉田君が来てくれるなんて、思わなかったわ」
「当然ですよ。高校以来、連絡はとっていませんでしたが、今でも小夜先輩は、私の尊敬する先輩ですから」
花が好きで、華道部に所属していた彼女は、花言葉などを含めた知識から、花を活ける技術まで、その全てに卓越しており、尊敬の念は、未だ消えずに、私の中で残っている。
「久しぶりに、小夜先輩から連絡が来た時は驚きましたけど、久しぶりの再会が、棺桶の中になるなんて…」
一週間程前、急に私の自宅宛に、郵便物が届いた。
差出人は、萩原小夜。
肝心の郵便物は、イベリスの花束に、小さなメッセージカード。
そこには、一言
『あなたの好きな花を、送ります』
とだけ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます