第1章【5】久しぶりのenjoy
あれから、一週間が経ったが、未だ藤本さんからの連絡は一回も来ていない。
藤本さんと話した記憶は僕の頭の中に、いつもあった。
いつもどうり家を出て歩いていると、偶然藤本さんとすれ違った。
久しぶりの藤本さんだ!
「西川くん。おはよう!なんか久しぶりの感じするね。」
「そ、そうだね。」
やっぱり、1対1だと緊張して言葉が詰まる。
「あ、ごめん。急がなきゃ。じゃあね。」
「じゃあね。」
そっけなく接してしまった。
藤本さんと僕は、真逆の方向に歩いていった。
藤本さんは、どこに向かってるんだろう?
僕はそれがとても気になっていた。
その日の放課後、僕は玲奈と弘樹と遊びに行くことになった。
玲奈は普段陸上部の練習が忙しいこともあり、あまり遊んでいなかった。
「玲奈、遊ぶの久しぶりだね。」
「いやー、久しぶりだよ!今日遊んだら次いつ遊べるか、わかんないから、全力で遊ぶぞー!!!」
僕たちが映画を見終わった時には、20時を回っていた。
「面白かったねー!」
「じゃあ、夜ご飯でも食べに行く?」
「そうだねー。」
僕たちはファミレスで、映画の感想を話していた時だった。
「西川くん???」
メインヒロイン不在のラブコメ 洲崎太朗 @sumoto_taro
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