詩「小さな声」

有原野分

小さな声

人は生きる

生きる金

死にたがりの蛍光灯


夜露

   暁の残光

路銀

   焦げた手紙


大切にしていた人生の

芯に刻まれた愛情という

果たしてこの道に

終わりはあるのだろうか


死に金

時間の浪費

シャバの飯

生きていた双子の妹


声を出してみようかしら

少しだけ

小さな

声を



誰にも

届かないでほしい

風船

針の先


カエルの歌

   集団下校

   錆びた家の鍵

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩「小さな声」 有原野分 @yujiarihara

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ