ヤンデレ彼女の嫉妬がやばすぎる〜女友達ならまだしも食べ物や本にすら嫉妬する〜

シバ・タツキ

第1話 手料理に嫉妬しちゃう


「もぐもぐもぐもぐ……」

「じぃーーー」


 僕の彼女は、嫉妬深い。

 交際を始めて数年になるのだが、未だ些細な事に文句を言ってくる。

 現に今も…


「ねぇ、なんでそんなに私を見てくれないの?」

「……んむっ、ご飯を食べているからだよ」

「ねぇ、なんで今ちょっと反応が遅れたの?」

「ご飯がお口の中に入ってたからだよ」

「なんでご飯……」

「自分の手料理に嫉妬するのやめない!? 」


 さすがに堪忍袋の緒が切れた俺は言葉を遮るように文句を垂れた。


「だって、君が私を見てくれないの、寂しいから……」

「それは分かるけど、限度があるでしょ」


 テレビ、スマホ、漫画等に嫉妬するのは百歩譲って理解できるにしても、食べ物に、しかも手料理に嫉妬をするのはさすがにおかしいと思う。


「そんなにご飯のことが好きなんだ。私なんかより」

「三大欲求の一つだし、食べなきゃ死ぬじゃん」

「食欲も私で満たせばいいのに」

「……カニバリズム? 」


 えっちなことが頭に浮かんでしょうがないが、真面目な僕は人食の方で誤魔化した。


「カニ…? 」

「分からないのならいいよ……。あと、食べ終わったよ」

「じゃあ、出かけましょ! 」


 デート、うーん。

 できれば火傷ぐらいで済むといいんだけど。


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