2話。誰か買い取って欲しいって話。


俺の唯一苦手な事、それは勉強。その勉強を何回も予習やら復習やらを繰り返した先にテストが待っている。だがしかし、俺は予習も復習もしていない。しかも今回は点数を落とすと、、、

「点数をこれ以上落としたら家の子じゃないから。」

ぎゃぁぁぁぁ。このパパの言葉が頭から全然離れない。俺は頭を抱えた。すると、小さな声でロエリーナが、


「何でテストもまだやってないのに、落ち込んでいるの?カンニングさせてあげようか?まーできるならって感じだけどね」


い、いらっ。お前は頭いいからほんといいよな……………まぁ俺、努力してないだけだけど、いや大丈夫だ俺。250点を取ればいいとの事。大丈夫。優。国語は取れなくても、他の教科を取ればいい。大丈夫。選択問題は4分の1で当たる。そこで取ればい。名前を書けば0点は防げる。大丈夫………!「キンコーンカンコーン」チャイムが鳴った。

………そして今3年生最初のテストが、


「それでは開始。」

始まった。










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







後日。

無事に木下家ではなくなった俺は、ロエリーナと一緒にゲームセンターに向かっていた。よく分からないが、UFOキャッチャーで欲しいぬいぐるみがあり、なんでもこの前はそれで1000円以上失ったらしい。こいつ勉強はできるのに、こういうのはアホだ。


「じゃー俺はあっち行くから1000円以内にしとけよ。」

んーUFOキャッチャーか………。そんな感じで俺が模索していると、

「おー懐かしい。」

そこには俺が小さい時に欲張って撮ってもらったカエルのぬいぐるみがあった。もう、無くしましたが。確か、あだ名もつけたんだよな……あっ、いい事思いついた、このぬいぐるみを取ってあいつに自慢して煽ってやろう。よし決めた。





……………………………全然取れない。現在。500円投入。全失敗。このままじゃあいつと同じ羽目になるぞ…………。

「欲しいのは…君だけだよなんよ…。」

俺がそんなきもいセリフを言っていると、


「あのー、位置変えましょうか?」


…………店員後ろにいたんかい!って事は?あのきもいセリフも聞かれてたんかい!………は、恥ずかしい。

「お、お、お願いします。」







「おーい。バカリーナ取れたぞー!」

俺は店員に位置を変えてもらい、無事に900円でゲットする事が出来た…一方のロエリーナさんは


「……………わーぁぁぁまた私の100円が無慈悲に消えた…………。これで900円目。何でこんなに取れないの!?」


取れないでいたらしい。というか、

無慈悲にもお前が消していってるんだけどな。900円って1000円のお小遣いしかないからラストじゃん。ほんとに下手なんだなお前…………。


「あら、優いたのね、、ってか何をそれカエル?」


「うん。俺のゲリゲロ男。可愛いだろ。」

あー懐かしいな。ゲリゲロ男。これは俺がいつもどんな時でも手に握って生活していた。ゲリをした日もゲロをした日も、胃腸炎になった時も。そんな感じでついたあだ名がゲリゲロ男。

「まー頑張れよ。俺はパパに迎えに来てくるように呼ぶから。」

俺がポケットからスマホを取り出そうとすると、


「優。いい加減パパじゃなくてお父さんの方がいいと思うの。小学生?小学生なの?!」


#取れない腹いせだろがくそうざい。で決まりだな。パパ?いいだろ別に!


「あーホームステイ先の男は、親父とか、父、とかって言ってる男の子が良かったな。」


こいつアメリカに飛ばしてやろうか?










「全然取れなかった…………。」


財布を見ながらロエリーナがめっちゃ落ち込んでいた。俺の余った100円も貸してあげたのに。

まーざまぁみろ。俺はこのゲリゲロ男があるから、また一緒に寝るか。と俺がゲリゲロ男を可愛がっていると…………


「あっ、、、、、、、、、。」

ロエリーナの方を見ると、ミルクティーを車内にぶちまけていた。


「ちょっと何やってるの?これ新車なんだけど。早く拭いて何とかして、」


ケチなパパ。まー当たり前ちゃ当たり前の反応だな。そして、ロエリーナの方を向くと真剣な表情になっていた。すると、ロエリーナが、


「車ってのはいずれは汚くなるもの。その期間が少しばかり、早くなっただけ。」


「早く拭けや!!!!!」


何を名言みたいに言っているのだろうか。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「電気消すぞ……………………はぁ可愛いゲリゲロ男。」


「どんだけ、愛着湧いてるんだよ。まーそろそろサヨナラは済ませた方がいい。」


こいつはさっきからカッコよく言うのハマっているのだろうか。てかサヨナラとか物騒な事言うな。


「てかこれ見てよ。私もこれ買おうかしら。」


2段ベットの下からひょこっと顔を覗かせて言った。よく見ると、メルキャリで500円ぐらいのカエルのぬいぐるみだった。売り名は(希少品です!)可愛いカエルのぬいぐるみ!だった。

「お前。UFOキャッチャーで取れなかったからって、メルキャリで俺と同じやつ買おうとするなって。」


「ちょっとスライドして見てよ。」


何枚か写真があるようだ。1枚目はカエルの全体図。2枚目はぬいぐるみに着いているタグ。3枚目は俺がゲリゲロ男を手に、喜んでいる写真………………………………は?ちょお前…俺がめちゃくちゃ困惑していると、


「そう!メルキャリで優のゲリゲロ男を売ろうと思い売っちゃました!てへっ。」


うん。何が売っちゃいました!や!ちね!

しかも全体的に状態が悪いってどうゆう事だよ!今日取ったばかりだわ!

「お前これ、早く消せよ。」

俺が冷静に対応すると、


「何言ってるの?消すわけないじゃん!自分で500円払って、ゲリゲロ男を取り戻すのよ!」


サヨナラってそのサヨナラか。

嘘だろお前………………………………!って事は、

「じゃーその500円は……………?」

俺が恐る恐る聞くと、


「UFOキャッチャー代にするに決まってるじゃない!」


やばい!俺はすぐさまメルキャリを開き、カエルぬいぐるみと知られべて…………出てきた。よしタップ。は?

「固まった!固まった!」


「さー希少品だからなー。売れちゃうかもなー。」


落ち着け。落ち着け。優。俺はスマホの上を下にスライドし、更新のマークを出現させて、、、あ、、、、

「ソールド、アウト………ぎゃぁぁぁぁぁぁ。」


「あ、ほんとに売れちゃった………………ね、今度なんか奢ってあげるからね。泣いてるの?泣かないで!ごめんね!」


うっっっ。ゲリゲロ男…………………。

だけど、なんか奢ってくれるなら、ちょっとは許そう。そう思って。大丈夫だよ。と告げようとすると。


「UFOキャッチャー代ゲットー!」


しーーーーーーー〇ーーーーーーー!

マジで早く1年立ってくれ。こいつとの生活はもう無理です。無理なんです……。

メルキャリで出品したら、、、、

誰か買ってくれますか?

俺はロエリーナにスマホを向けて。カシャと1枚目。そして、メルキャリのアプリを開いた。

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アメジャパ! 誘拐犯 @yukaihann

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