アメジャパ!

誘拐犯

第1話。よろしくお願いしません。

「なーロエリーナ、寝れないんだけど、やっぱり女の子と寝るってすっごい緊張して、すっごいムラムラするから…………しかも、2段ベットだし。」


「……………」


え、寝てるのかコイツ………………………………。だが、俺はそんな事は気にしない。

「おーい!おーい!おーい!ムラムラして寝れん!」

自分でやってて分かる。これはとてもうざい、


「………あ゛あ゛あ゛もう!うるせーわお前。今寝る寸前だったんだよ。今日の夢は白馬の王子様とデートして、いくとこまでいっちゃうていう夢なの。分かる?分かったらさっさと寝て!」


白馬の王子様…………………可哀想なやつめ。ここに真の白馬の王子様がいるってによ。ってか夢を自分で決めれるという、特殊能力付きのロエリーナさん。やっぱり抜けている。


「ってかさムラムラってどうゆう意味なの?さっきからずっと言ってるけど。」


えっ……………!意味が分からないんですかいロエリーナさんよ。ってか何て説明しよう、、、。さすがに、今から1年一緒に生活するやつに本当の意味を教えたらうん。死ぬ。これは死ぬ………………………………………………。よしこれでいこう。

「ね、ね、眠いって事だよ。使い方としては、すっげームラムラするなーとか、かな……。」


「へーそうなのね、私もすっごいムラムラわね。」


「ぶっっ」

つい、吹いてしまった。早速使わないでほしい。


「じゃー私はとてもムラムラから寝るわね。」


ムラムラから寝るってなんだよ。面白すぎるだろ。


「あと次大声出したら………………。」


だした、ら……………?


「《kill you!!!!!!》」


何回聞いても、やっぱカッケー。さすがアメリカ人。発音が良すぎるぜこのムラムラ女。

そういえば何で俺ってこのムラムラ女と1年も一緒に生活する事になったんだっけ………………………………………?






                ☆☆☆







おいおい。こんなこと聞いてないぞ。そもそも、自分の中学校って交換留学とかあったか?意味がわからん。

俺は突然パパに「今から空港に行くぞ」と言われ、ずっとスマホを見ながらケツを痒いていた俺は家から急に締め出された。

そして、今、対面しているのは謎の美少女と、その父。


「それじゃー紹介するね、この子は交換留学生で、アメリカからきたロエリーナさん。これから卒業まで……まー1年ぐらい、一緒に生活する事になるからね。」


は……………?こ、交換留学!?聞いてませんけど?俺はパパに肩をちょちょとやると、小声で


「いや、だってお前その事言ったら絶対ダメって言うじゃん。」


誰でもだと思うんですけど、


「ほら、引き受けたらさ、ねっね。」


と、親指と人差し指を当てて丸をつくって言った。いや、そういう事かよ。


てか、1年って言った?耐えきれんって。

俺がこのダメ父親に呆れていると、彼女の父が俺に向けて、手招きをしていた。


「コレカラヨロシクネ。オトコノコッテキイテメチャクチャフアンダッタケド。タブンダイジョウブソウダネ。」


めっちゃ不安だったんかい。ってか日本語うますぎる。そんな日本語が上手いことに感動していると、急に彼女の父が体に手を当て始め……


「《touch the body。touch the chest。》」


そして、笑いながら俺の耳元で…


「《kill you》」


ビビった。漏れる。オムツ履いて来ればよかった。だが、気持ちとは真反対にカッコ振る舞いたかった俺は、


「さ、さすがに、そ、そんな事は、や、やりませんよ。」


「ヤッパリフアン。」





と、まーあとはお互いによろしくと言い合い、そのまま家に着いた。

正直めっちゃ気まずい、車の中でも一言も話さなかったっし、夜も次の日も。だが、彼女が来て3日目、とある事件が起きる、


「あの、私のピンクのパンツ知らない?」


風呂上がりの俺に聞いた一言。私のピンクのパンツ知らない?それが初めての会話になるとは………。ってか日本語うますぎるだろ。素晴らしい英才教育が施されているんだろう……。


「というか貴方の名前は?やっぱり名前で読んだ方が便利だと思うからさ。ね。」


あ、そういや自己紹介とかなんもしてなかった。

「俺の名前は木下きのした 優ゆうです。まー優って呼んで下さい。」


「おっけ。じゃー私も、私はロエリーナよ。呼び方はまーなんでもいいわ。これからよろしくね。」


エロリー…………、は殺されるから、ロエリーナでいいか。


「ところで、ゆう。さっきの話に戻るけど、私のパンツ知らない?」


知らない。まじで知らない。よくあるパターンなら、俺が隠し持ってましたー!みたいなパターンだけど、本当に知らない。

「まじで分からない。俺も一緒に探すよ。エロリ…………ロエリーナさん。」


「さん。は別に付けなくてもいいわよ。んー確かにさっきまでここに置いてたのにな。」


おっと。尿意が、

「ごめんちょっとトイレ行ってくるね。」

ピンクのパンツか。んーどうせすぐに見つかるだろう。

階段を降りる。トイレのドアを開けて、ズボンを下げて、パンツをと、……………………。は?い?疲れているのだろう。もう1回ズボンを上げて、下げる。うん。ピンクです。ピンクのおパンツです。すぐ見つかりましたね。これにて解決!…………………………死んだ。やばい。待て待て、一旦トイレしよう。「ちょろちょちょろ、」ふう。………

…っておい!尿がパンツに付くだろうが!

「あ゛あ゛あ゛」

絶望の限りの渾身の叫び。


「どうしたのー?」


ロエリーナが階段から降りてくる音が聞こえる。どうしようもない。まだだ、考えろ優。大丈夫だ何とかなる。うん。うん。考えろ。優…!


「あ、開けるわよ?」


下半身丸裸で土下座している俺。考え抜いた結果です。俺は土下座をし、両手を上に上げてその上にはパンツ。そう。ピンクのパンツ。

「こちらがお品物になりまーす。」

凄い、宙を舞っている…………地面に勢いよく落ちた事で現実に戻る。そして、すぐさま土下座。


「おい。これはどうゆうことか説明してもらいましょうか。」


「す、すいません………これには色々と訳がありまして。」

わざとじゃない。ちゃんと説明すれば大丈夫な、は、ず、ん?

「ちょっとロエリーナさん。自分の履いてるおパンツを確認してもらってもいいですか?」


「この状況で何言ってんの?まー別にそれくらい…………」


ロリエーナは固まった。

俺が土下座した時。ちらっとスカートから見えた。俺の赤のパンツが。俺は確信した。こいつは頭のどこかが抜けていると。まー俺もなんだけど……………。ともかく形成逆転した俺は、

「おっと。それは僕のおパンツじゃないですか?ほら!謝って!俺を殴ったことを謝って!」


「な、何よ!日本に来る前、お前のものは俺の物ってってゆうのを聞いた事があるわ!だからいいのよ!」


すごく、無理やりです。それは。というかコイツは諦めが悪い!こうなったら口論でボコボコにして………


「………っていうか何でお前は間違えるの?色が似てるから?男と女のパンツだよ。どうやったら間違えるの?」


「優、全然分かってないわね。」


あっっっ俺の脳裏にある事がよぎる。

「お、おパンツの感触が同じなんだ!だからだ!しかも今日は好きな芸能人のLIVEがあったから急いでた、お前も何かで急いでて、分からなかった………つまりこの結論からいくと、おパンツ会社が悪い!そうだろ?」


「そう!おパンツ会社が悪いの!」


俺達は意気投合し、

肩を組み合っていると、パパがそこに来て、


「まー今の話を聞く限りだと、僕の会社が悪いってことだよね?」


俺達は土下座。忘れていた、父はおパンツ会社の開発部部長だった………。


「そもそも、普通に見れば女物か、男物か、すぐに分かるから、お前らが馬鹿なだけ。」


「「ごもっともです。」」


「話変えるけど、うちって一軒家のわりに、部屋の数がないじゃん。だからお前ら2人には明日から2段ベットで寝てもらいます。反論は許しません。したら、さっきの事広めます。というか、お前ら仲良さそうだし、いいでしょ?」


このくそじじいが。めっちゃ嫌なんだけど、こいつととか、ロリエーナの方を見ると、案の定、、、嫌そうな顔をしていた。












そして、色々あり、今に至る。2段ベットで一緒に寝ることは、あいつもあんまり気にして無さそうだからいいや。


「待って優!起きて!起きて!」


寝るんじゃないのかよコイツ。


「私インツタのフォロワー500人いったわ!凄いでしょ!」


どうでもいい。全然凄くない。俺だって!インツタのフォロワー、10……………。ちょっと凄いかも。


「うるさい。早く寝ろって。明日も学校なんだから………。」





女子の留学生?!というこの淡い期待を期待を返してほしい。

期待は不安に、不安は絶望に…………、

明日でもいいからアメリカに帰ってくれ…………。

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