動物達は死んで幽霊になった後ドラマがあった

mikotonosora

革命を起こしたい豚となだめる雌豚と牛の賢王

俺は豚だ。

正確には豚だった。

もう死んで幽霊になっているが。

「許せねぇ……!」

俺は憤っていた。

俺を殺した人間たちがやっていた事

それを俺は死んでから知った

生きている時は俺の世話をしている優しい人間たち……大好きだった……

「こんなことが許されていていいのかよ!」

俺は憤っていた

俺たちを食べるために育てていた

俺たちの事を罵りの言葉として使っている

特に俺達は管理されていて食べられるためだったのが衝撃すぎた

「人間から仲間を助けなきゃ……」

俺は奮起した。

だが仲間は違った。

「人間から解放されたとして私たちは生きていけるの?私達は人間に依存して生きている」

俺は生まれを呪った

「だからって黙って現状を見ていればいいって言うのかよ?!?」

雌豚はそれに応えた

「私達はもう死んでいる。そして人間を動かすことが出来る。なら死んでから自由に人間を動かして遊びましょう。それは許されるはずだわ……」

「そうだな……でも俺は仲間が尊重されて生きれる時代が来るまで、人間を動かして訴え続けるよ」

「好きになさい。応援してるわ。」

俺は豚の尊厳を守るために動き続けた。


「君が例の豚くんか」

牛の賢者は俺に尋ねた


「牛さん……あんたらは何とかしないんですか?この現状を……」

「我々にはどうしようも出来ない……」

「そんな事ないっ……俺らが動けば食肉を辞めるっ」

「簡単に言うが、それでは肉食動物はみんな悪か?彼らは生きるために食べている」

「なら俺達を必要ないのに食いすぎるやつに怒ればいいのか?」

「まぁそう怒るな……」

「だって悲しいじゃないか……俺は俺だ胸を張って生きたい……食べられるためだけに生かされていたなんて……」

「人間も社会の奴隷になるために生まれてきたものが多いんじゃよ……」

「なんだ……それ……」

「地位も愛も手に入れた一部の人間のためにしか存在せんよ我々も人間も……我々を育てた彼らだって社会の奴隷であった……」

「優しい人たちだった……俺らが食べ物として期待されてなかったら普通に家族として受け入れてくれていたのかな……」

俺は泣き始めた……

牛は続ける

「わしは死んでからの方がもう、うん10倍も長いがわしを食べたものたちが命を繋いでいく様を見て尊いと……思っているよ……」

俺は泣いている

「俺はみんなを助けたいのに……こんな世界間違ってるよ……」

俺の泣き声は辺りに響いた……

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