魔法界を救う(3)

 福山総理がたたき台のように思っている『魔法の未来』ノートは、魔法に関してのメモ帳のようなもの。

 魔法数は2000以上あるが、その詳細は、別紙の20冊のノートに書かれ、内容はすべて覚えている。この魔法を総合的に判断すると、完成度は非常に高い。しかし、洋介としては、いろんな人の意見を聞き、究極の魔法に仕上げたいと思っている。


 洋介は、あの時、その場の雰囲気というか、そう言わざるを得ない状況に思え、つい3ヶ月で特Aになると言った。言ったからには、約束は守らなければならない。

 しかし、単純に計算して、1日平均22以上の魔法をマスターしなければならない。どう考えても無理がある。この状況を隠れて見ていた青の魔法石は、洋介に不信感を抱き。


 この人は、できもしないことを言う人なの。約束を簡単に破る人なの。そんな人に魔法を。

 しかし、直感だけど、この人に魔法を託すと決めた、なのに、いくら自分が考えた魔法でも魔法を甘く見ている。いったいどういうつもりなの。でも決めた以上は約束を守ってもらう。私は、あの人との約束を果たさなければならない、「魔法を生かせ」と言われた。


 青の魔法石は恩情なのか、魔法士の試験内容は、この2000以上の魔法からリリカが抜粋して試験内容を決め、厳粛に合否を判定する。但し、3ヶ月以内で特A魔法士になれなかったら、青の魔法石に出会わなかったことにする。

 いくら青の魔法石が、洋介とサクラに恩情をかけたとしても、魔法士試験に手心を加えたりはしない。最低限度、特A魔法士に必要な試験を行う。

 今回は、言った以上、約束を守ってもらうため、魔法界を救うため、今後の魔法のために、その技量を見せてもらうための試験ということ。

 特A魔法士は、魔法大辞典に記載されている魔法はすべてマスターしなければならない。魔法大辞典に、そう明記してある。当然、それができない場合は、特A魔法士にはなれない。但し、魔法管理責任者しか使えない魔法がある。例えば、タイムトラベル魔法とか。


 車の運転が上手な人もいれば、下手な人もいる。この差は運転技術によるもの。

 魔法を使うのが上手な人もいれば、下手な人もいる。この差は魔法技術によるもの。


 魔法を使うのが上手になるには、魔法技術を向上するしかない。魔法技術を向上するには、魔法の杖さばきが上手くなること。車で例えれば、ハンドルさばきが上手くなるのこと。あとは、集中力、判断力、イメージ力の向上を目指す。

 その中でも魔法は、イメージが大事と言われている。魔法の力は、目には見えない、その力をイメージで使いこなす。


 例えば、浮遊魔法で椅子を持ち上げるとする場合は、呪文を唱えると同時に、どの椅子をどれくらい持ち上げるのか頭の中でイメージしながら、魔法の杖と手を連動させ。その重さを杖で感じながら椅子を持ち上げる。

 持ち上げる重量は、魔法力で決まり。椅子しか持ち上げられない人もいれば、東京タワーを持ち上げる人もいるかもしれない。


 例えば、瞬間移動魔法を使う場合は、どこに瞬間移動したいかイメージする。例えば、東京からニューヨーク、イギリス、南極大陸、地球上ならどこへでも行ける。但し、イメージが定まらないと、どこへ瞬間移動するかわからない。ニューヨークに瞬間移動したいのに、近所のコンビニに瞬間移動する場合もあり。怖いのが、海上、上空だってあり得る。その時は、守りの魔法で守られるが、魔法は万能ではないので気をつけないとならない。ただ、そうならないためにも、集中力や、なれも必要だったりする。

 スマホの写真を見て瞬間移動することもできるが、一度でも行ったことがある場所の方が確実に瞬間移動できる。それだけイメージしやすいということ。

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リサイクルショップと魔法使い K・Sメッセ @ksmscst

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