第3話 新加入

新たに入ったのは男7人女3人の合わせて10人だった。

彼らは経験が無いので、それぞれ1から教える必要があった。

だけど・・・


「ユウって言うんですか?何歳?彼氏いるの?」

「ねえ!終わったら俺とご飯に行かない?」

男の何人かは踊りを覚えようとせず、俺に話しかけて来るばかりだった。

「あの、真面目に練習してくれませんか。」

「おっ、怒った顔も可愛いよ。」


「ユウちゃん、男の子の指導はいいからこっちを手伝って。」

俺はミユキさんに呼ばれて女の子3人の指導に移るのだった。

「ユウさん!私ユウさんみたいに踊れるようになるかな!」

彼女はまだ中学生で14歳のカナといった。

「カナちゃんも練習したら踊れるようになるよ。きっと僕より上手くなるんじゃないかな?」

「本当ですか!カナがんばりますね♪」

元気溢れる子で俺も元気をもらえるようだった。


「ユウさん、私にも教えてください。」

彼女はコズエ、高校生で17歳少し内気な感じがする女の子だ。

「あの、ここはどうすれば・・・」

「ここはね、こんな感じで手を動かすんだよ。」

「こうですか?」

俺はゆっくりと動く事でわかりやすく見せるとコズエも同じ動きをする。

「そうそう、それだよ、コズエちゃん一発出来るなんて凄いよ。」

「そんな・・・私なんて・・・」

「もっと自信を持っていいよ、僕なんて覚えが悪かったから何度も練習したもん。」

コズエは褒められる事に慣れてないのか顔を真っ赤にしてうつむいていた。

「コズエちゃん、顔をあげて、よさこいはみんなに笑顔を与える踊りだよ。

僕達が顔を隠したらみんなに笑顔を分けれないじゃないか。」

「でも、恥ずかしいし・・・」

「コズエちゃんは可愛いから恥ずかしがる必要なんてないよ、もっと顔を見せて、もし恥ずかしいなら今は僕にだけでも笑顔を見せてくれないかな?」

「ユウさん・・・」

コズエは顔を上げる、俺を見てくる。

「そう、ほら笑顔笑顔♪せっかく踊るのなら楽しまないとね♪」

俺がコズエと話しているともう一人の女の子、ハナが少しむくれながら話きた。

彼女は12歳とまだ小学生ながら募集に応募してきたのだ。


「ユウさん、コズエさんばかり相手しないで私も見てください!」

「ゴメンゴメン、ハナちゃんちゃんと見てるから。」

「うー、ほらいきますよ。」

ハナは一通り踊る。

「ハナちゃんも凄いね、もう言うことがないぐらい完璧だよ、ダンスの経験あるの?」

「当然ですわ、源の一人としてダンスぐらい出来ないとパーティにもいけません。」

彼女が言う源とは国内の大企業、源グループであり、彼女の家は会長の縁戚にあたり、彼女自身良家のお嬢様だった。


「これならすぐにステージに立てるね、今イベントがあれば僕と一緒に並んでセンターやる?」

「やりたいですわ!すぐにイベントに出ましょう!」

「あはは、ごめんね、今イベントが無いんだ、それに新しく入った人も覚えて貰わないといけないからね。

なにせよさこいは一人で出来るものじゃないから、ハナちゃんもみんなに教えてもらえるかな?」

「任せてください!コズエさん、カナさん頑張りますわよ。」

ハナは元気よく答えてくれる。

こんな感じで女の子達は仲良く盛り上がっていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヨサコイ青年、美少女へ! カティ @fortune-Katty

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ