青森の準限界集落で暮らす「俺」は、吹雪の中を歩いて勤務先のコンビニへ向かっていた。その道中、ひっくり返った一台の車と、その中で凍死しているカップルを見つける。雪国での生活と人間関係を、一人称視点で淡々と綴った現代ドラマ。ドキリとしてしまう描写も、それが彼にとっての生活の一部なんだと感じられます。不便さは事より、人の命も奪ってしまうような豪雪地帯に暮らす困難さを、切々と感じ取りました。それでもここで生きていけるのは、人の温もりがあるからなのかもしれません。