勃勃6  嶺北戦記 2

連敗に業を煮やした姚興ようこう、自ら三城さんじょうに進軍する。そこへ劉勃勃りゅうぼつぼつ、敵軍が集まり切る前に騎兵を率い、襲撃。姚興が慌てて姚文宗ようぶんそうに迎撃させると、劉勃勃は伏兵を仕込んだ上で偽装撤退をなした。追撃した姚榆生ようゆせいらは伏兵に挟まれ、囚われた。


劉勃勃は矛先を変え、敕奇堡ちょくきほを攻撃する。守将の王奚おうけいきょう族三千世帯あまりを砦内に収容、防備を固める。その上で打って出た王奚は勇猛であり、剣を手に劉勃勃軍に損害をもたらした。そこで劉勃勃、川の水をせきとめる。間もなく渇きに苦しんだ敕奇堡の民は王奚を縛り上げたうえ、降服。民より見捨てられた王奚に、劉勃勃は言う。


「キサマは忠臣である! ならば、朕とともに天下を目指せ!」


しかし王奚は言う。


「速やかな死こそが、そなたより賜われる唯一の恩である」


近習のもの数十人も自ら首をはね、死んだ。 


劉勃勃はその後も金洛生きんらくせい黄石固こうせきこで、弥姐豪地びそごうち我羅がら城で攻め落とし、七千世帯あまりを大城たいじょうに連行。兄の劉右地代りゅううちだい幽州ゆうしゅう牧とし、管理させた。




姚興來伐,至三城,勃勃候興諸軍未集,率騎擊之。興大懼,遣其將姚文宗距戰,勃勃偽退,設伏以待之。興遣其將姚榆生等追之,伏兵夾擊,皆擒之。興將王奚聚羌胡三千餘戶於敕奇堡,勃勃進攻之。奚驍悍有膂力,短兵接戰,勃勃之眾多為所傷。於是堰斷其水,堡人窘迫,執奚出降。勃勃謂奚曰:「卿忠臣也!朕方與卿共平天下。」奚曰:「若蒙大恩,速死為惠。」乃與所親數十人自刎而死。勃勃又攻興將金洛生於黃石固,彌姐豪地于我羅城,皆拔之,徙七千餘家於大城,以其丞相右地代領幽州牧以鎮之。


(晋書130-6_胆斗)




王奚さんどっかで見かけたよな……どこだっけ……と思って探したら十六国春秋で、しかもこのときに「勃勃のところにおるやん!」と叫んでました。すっかり忘れている。


https://kakuyomu.jp/works/1177354055365070928/episodes/16816452219138009932


十六国春秋は割とまるまるのコピペなわけで、つまり情報が被ってるわけですが、まぁ気にしません。かっこいいは正義。

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