第5話

お母さんが私に真剣な形で話し始めた。

「ねぇ、茜 萌、もうそろそろ学校行かせたいんだけど、無理には行かせたくないんだけど、茜からいってくれない?」

「わかった」









「ねぇねぇ萌!お姉ちゃんと一緒に学校行かない?」

いつもいいよと答えてくれる萌が何も話さなかった。

「ねぇねぇ萌、なんかあったの?」

人は大丈夫?と聞くと必ず大丈夫とこたえるらしい。だから、私は萌になんかあったの?と、聞くようにしている。

「この間、コンビニに入ってきた子が私に気づいて、またいじめよーぜって、」


「え?…」

気づいてあげられなかった。萌の事を、何も見ていなかった。、


「じゃあまだ、学校はいいか、でもいつか行かないといけないから、まだ、頑張ろうね」

「うん」

萌は、コクリとうなずいた。









「ねぇ、茜、結局どうなった?」

「まだ行きたくないって、また、街で色々あったっぽい」

「そっかー、まだだめかー、」

「まだ?」

「うん、萌には、学校に行けって言ってるんだけどね、…」





それって、全部お母さんのせいじゃ?…

そう思った。

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世界平等理論 尊(みこと) @mikorintan

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