第3話
翌日。
僕は橋本まなみと出会った小さなカフェにれなと来ている。
「よくよく冷静に考えれば、何もしらない他人から声をかけられて待ち合わせまで約束されて、普通こないよなー。」
そうネガティブ発言をしていると、れなが俺の背中を叩き「なにへこたれたこと言ってるの!とっとと座ってろ!」
と強引に座らせてきた。
「いいわね。ちゃんと私の指示を聞くこと。熱くなって我を忘れないこと。」
「わかったよ。怪しまれずにLINEで指示を見ればいいんだな。」
そう話していると、
「あ!いたいた。すいません。少し遅れてしまいました。」
まなみが少し息をきらしてきた。
「全然待ってないよ。てっきり来てくれないのかと、」
「まあ、レポートが終わらなかったら単位とれないですし、留年はいやですから。」
「…」
やっぱりだめだ、同じ声、同じ顔咲と照らし合わせてしまう。彼女と出会ったこのカフェでの出来事も。
僕は元々このカフェでバイトをしていて、同じバイト先だったことが咲との出会いだ。
よく言い合いしたり、ドジしてたっけな、
するとブーとバイブレーションがなりスマホを見るとれなからLINEでの指示が来ていた。
「まずは落ち着いてレポートを手伝うこと」
そうだった。レポートを手伝わないと。
まなみが覗き込んできて。
「えっとー、大丈夫ですか?」
「あ、ああ大丈夫!ごめんね。でどんな内容でレポート書くんだっけ?」
「1年間出てない授業のレポートです」
「え?1年間学校行ってなかったの?」
「はい、その時私自身何があったのかよく覚えてなくて、レポートをすれば留年は見逃してくれるそうです。」
「そっかー、なにか理由があるんだな。公欠見たいなものか。」
それから黙々とレポート作成に取り掛かり、2時間が経った。
「よし!やっと終わったー!ありがとうございます!本当に助かりました。」
「いいよいいよこんなの。昨日の償いだと思って。」
「償い?なんのですか?」
「え、だって昨日あんなことを、」
「あーあれですか。なんか私自身もわからないんですけど、何故か初対面なのに桜井が急に話しかけに来て、色々言われたけど、何故か嫌な気はしなかったんですよね。」
「そ、そうなんだ。」
あんなことをされたら普通嫌だと思うけどな。
と疑問に思っているとまなみが
「なにかお礼させてください。」
いや、そんなのいいよ。と言おうとした瞬間スマホのバイブがなった。
れなからだ。すっかり忘れていた。
「今が質問するチャンス!質問リスト載せとくから1つずつ慎重に質問すること!」
ほんとに気が利くなれなは。そう関心していると
「桜井さん?」
「あ、ああごめん!」
いくら別人といえども、咲に苗字で呼ばれてる気がして気が落ち込むな。
「じゃあ、質問させてくれないか。昨日僕が聞ききたかったことを」
僕が好きになったのはもう一人の君でした。 @yuya3645
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