間話[20階層]
カーン。カーン。カーン。
地下20階層で剣を打つ少年。黒色のウルフヘア。幼い顔つきの少年が、出来上がった剣をじっと眺める。
「……完璧。」
チリーン。
ドアの鈴の音が鳴る。少年は、剣を置いた。
「”接客も仕事の内”っと。」
鏡で髪を整える。にこりと笑い少年は、カウンターに向かう。
「ラズロッド武具店へ、ようこそ。」
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「アルト様、20階層に街があるって本当ですか?」
「あぁ。本当だ。」
エルナが興味津々で俺に尋ねる。ユイも俺に視線を向けた。
「ダンジョンに街があるなんて、不思議。見間違えたんじゃないの?」
「街を見間違える奴がいるか!」
ユイの頭にグリグリと拳で挟んだ。“イテテテテッ“と声を上げる。グリグリを解かれたユイがヘニョヘニョになって倒れた。
「ユイさん。20階層は、通る道です。その時本当かどうか自分の目で確かめて見ては?私はアルト様を疑ったりしませんけど。」
とユイに軽く注意を入れる。
「なんなら今からいけるぞ?」
「はい?」
「マジィ?」
「18階層のボスを倒したら“転移の羽“が手に入ってな。自分が一度行った場所に転移できるみたいだ。気になるなら今から行ってみないか?」
ユイが眼をキラキラさせながら近づいてくる。お願いされても転移の羽は、あげないぞ?
「いいなぁ〜欲しいなぁ〜。売ってよそれ。」
「ダメ」
「ケチッ」
不貞腐れて、しゃがみ込むユイを無視してエルナに話しかける。
「エルナ。2人で行こっか?」
「はい!デートですね!」
「そうなるな。」
エルナと手を繋ぎ、転移の羽を空に向ける。
「転移!最難関ダンジョン20「ちょっと待ってぇぇぇ」
ユイが大声をあげる。どうした?信じてないんだろ?そこで待っててもいいんだぞ?
「私も行く。」
「いいんだぞ?待ってても。」
「うぅ……ごめんなさい。」
ユイが頭を下げる。ユイの頭をポンと叩き手を引いた。
「ほら、行くぞ。」
「うん。」
「はい!」
こうして俺たちは最難関ダンジョン20階層に転移するのであった。
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「本当に街があった!」
「すごい。ダンジョンに、太陽って……」
ユイはぴょんぴょんと跳ね、エルナは、地下に太陽に驚いていた。20階層についた俺たちは、宿屋を探す。部屋を借りた俺たちは、酒場で再度集合することになった。
ベッドふかふか。これ欲しい。持って帰ったらダメかな?。モンスターの素材で出来ているベッドは、とても柔らかく、地上のベッドよりもふかふかしていた。
はぁ。これからどうするか一度整理した方が良いな。この階層は、セーフティエリアだ。モンスターが入って来られないように結界が張られている。安心して過ごせると思う。俺はベットでゴロゴロする。
下の階層に行く階段って何処にあるのかな?しばらく街の人に聞いたらわかるか。親切なおばちゃんにまた会えるかな。
俺は2本の剣を取り出した。マッドマンプリンスが持っていた剣だ。俺たちは、片手剣を使う人がいないのでアイテムボックスの肥やしとなっていた。俺は剣をブンブンと振り、ため息を吐く。
「夜月の剣。太陽の剣。売っちゃって良いかな?」
アイテムボックスには、重量制限もあるし使わないなら売ってしまおう。俺は宿を出た鍛冶屋に向かうのであった。
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「ラズロッド武具店へ、ようこそ。」
店奥から1人の男の子が現れる。いきなり声をかけられたので、ビクッとなった。
「ええ〜と。剣を売りたいのですが。」
「はいはーい!どんな剣を持って来ましたか?」
俺は二本の剣をラズロッド渡した。ジィーと眺めて、ため息をついた。
「申し訳ありません。買取不可です。」
「………。」
なん……だと、、、
「この剣を買い取るだけの資金がありません。申し訳ございません。」
そう言ってラズロッドは二本の剣を返す。剣を受け取りアイテムボックスにしまう。良かった。この剣に価値がないのかと思った。
「だいたいどのくらいの金額になるか教えてくれないか?」
難しそうに悩むラズロッド。少ししてから声が上がる。
「1つ白金貨100枚ですかね。」
白金貨一枚十億円。っことは、1兆円!!
俺はすごい価値があるものを手にしたらしい。
最弱から始まる成り上がり。ハズレスキル〈アリンコ〉は実は最強だった。王様?女王様?人間なんて滅んでしまえ!!週間異世界ファンタジー336位 @jimgai
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