第六話「しあわせなひび」
戦いを終えた後布団に戻ろうとする。
ガチャッ。
家の鍵が開く音がした。急いで玄関にむかう。
玄関には、大きなリュックを背負ったお母さんがいた。えっ、もう……
「行かないで、おかあさん。」
「ごめんね。アルトは連れて行けないの。」
アルトは必死にお母さんの腕を掴む。離れたく無い。幼いアルトには当たり前の感情だった。
「一人になるなんて無理だよ。寂しいよ、母さん。」
「ごめんね、しばらくお婆ちゃんの所に預かってもらえるように頼んどいたから。」
泣くアルトを抱き寄せ頭を撫でる。行かないで…。
「愛しているわ。アルト。」
母はアルトのおでこにキスをして、どこか遠くに向かった。
「うぇえぇぇえん。」
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って、感じで俺は最難関ダンジョンの制覇を目指しているんだ。もっと強くなるために……。」
俺の話を聞いていたエルナが途中から涙を浮かべていた。ぎゅっと俺を抱きしめる。
「おい!」
「………。」
「どうしたんだ?」
「今私が何を言っても無粋な気がして……」
「昔の事だ。」
「そうですね、ふふふっ。」
「なぜ笑うんだ?」
「強がってるアルト様が可愛くて…」
何を言ってやがる。そう言った俺の目には涙が溢れていた。泣くなんて、かっこわりぃ
俺はエルナを引き離す。
「まぁいいだろ!俺は寝る!」
「そうですねおやすみなさい。」
そう言って俺はテントに戻るであった。エルナのせいだ。胸が苦しい。
「はぁ。」
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ー50階層ボス部屋ー
後部は竜、獅子と牝山羊と竜蛇の三つの頭をもつ合成怪獣。キマイラだ!
「ぶち殺す!!」
俺はキマイラを殴り飛ばし、ついでに蹴りも入れる。壁に衝突するキマイラが俺をみる。
「がぉぉぉぉぉぉお」
「うるせぇ、ハゲ!!」
「モンスターは、禿げないよ?」
「俺が禿げさせてやる。」
俺は、右手に酸弾を浮かべる。
「アルト様。ここは私がやってもいいですか?」
エルナのやつ珍しいな。自分から戦いたいなんて。
エルナは手袋を外し地面に手をついた。
「崩壊。」
次の瞬間、地面を伝ってキマイラが崩れ始める。
キマイラはバラバラとなり消えていった。
「エルナちゃんやるー!」
「ーーーーはぁ?」
「私のスキル〈痛撃〉がスキル〈崩壊〉に参加しました。これでアルト様のお役に立てますね。」
そう言ってエルナはにこりと笑うのであった。
ーーーーーーーー第三章完結ーーーーーーーーー
あとがき。
最後まで読んでくれてありがとう。
新作の更新予定「転生したらリスだった」
もよろしくお願いします。
これからも楽しんでかくぞー
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