第4話  エクトプラズム

お寺へ行ってから数日が経った

ある平日の朝


仕事が終わり

帰宅すると


部屋の中が

異様な事になっていました。



全体にモヤが掛かかり


少々肌寒い。


特に出る前に

何かの仕掛けをした訳でも無いのですが


外ではなくて


何故か部屋の中だけが


視界不良でした。


それに

もう1つ変化がありまして


そもそもの発端である

ラップ音と法螺貝の音が

全然鳴らなくなりまして


しれっと

問題が解決しておりました。



思い返しますと




【寺】に行った後での変化ですから



やはりあの坊主?タダ者では無かったと

言わざるを得ません。


そのお陰と判断する要素が

他に何も無いんですけどね・・・・。



ともあれ


そこは解決したのですが



今度は


【霧】の問題が発生したということでして


その霧は


いくら換気をしても


消える気配が無く


目の錯覚でしょうか


段々と色が濃くなっている様にも見えました。



何度外を見渡しても



やはり私の部屋だけ・・・・


これも霊なのか・・・。



助言を求めて

例のお寺の坊さんへ

電話で相談を試みたのですが


今は忙しいと

相手にしてくれず


さっさと電話を切られてしまいました。





どうしたものか・・・


結局現状では策は捻り出せず


1度リセットをするつもりで


外へ逃げました。



「気分が変われば何か浮かぶかもしれない」




特段行く当てもないので

近所にある、カフェのチェーン店に入る。


なんだかんだで

良く使うお店で


アクセスが良いのと


此処のチョコクロが旨いのもあってか

足繁く通う


俗に言う

ヘビロテになっています。





いつものブラックと

チョコクロをオーダーする。






それにしても



いつ来ても客が多い


みんな話しで盛り上がっているみたいです。


よくもまぁ、そんなに話すことがあるものだなぁ・・。




そんな様子を見ていて

ふと思ったのが


【あの霊と会話が出来れば】と

いう事でして



もし会話が出来たのならば


何が目的なのかを

容易に聞き出せて


其に準じた行動を取ると


問題は、アッサリと解決してしまいます。


だって

私の前に現れたのも



意味がある筈ですから・・・・。




とはいえどうしたものか・・・・。



暫く考えて・・・・



結局、先ずはGoogle先生に相談してみようと思い付き


お店のPCを借り


ざっくりと調べてみることにしました。





調べが進むと

案外沢山ヒットするもので


例のお寺も有名なんですね


名を連ねておりました。


この中で1つ気になったのが


【霊力研究会】なるもので


岡山大学のサークルとして

存在し

以外に長い歴史を持っておりました。


まぁ

興味を引いたのは

歴史の方ではなくて


名前の方なのですが・・・。



普通

【心霊現象研究会】とか

【超常現象研究会】とか


守備範囲が広めの

ザックリとしたネーミングを付けるのが

一般的ですからね


なのに


このサークルは

【霊力】と特化した名を冠していて


それだけ自信が有ったり


確証が有る現れと勘繰りを入れまして



しかも大学ですからね


「これは何が良い知恵を授けてくれるのでは」と

期待してしまいました。



期待していいのではないでしょうか!



お寺も然り


私の直感は

当たる傾向ですからね。


そう考えて



迷い無く指定されているLINEに

内容を打ち込み

返事を待ってみる事にしました。


待つといっても

直ぐのすぐには返ってこないでしょうから


害が無いことを祈りつつ

我が家に戻ることにして


この店を出る事にしました。


そう決めて

会計を済ませて

外へ出た途端に


徐に

LINEの着信音が・・・


何と


早々と返事が返ってきました。



内容は

「それは多分エクトプラズムですね」


「詳しくお話を聞きたいので、後日お会いしませんか?」なるもの


エクトプラズム!

まじか!


霊魂ですよね


おー


疑いもせずに、丸々信じてくれている。



これは会わないと損をする!


本能的にそう思いました。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

はいっ! 霊(麗)です @haretokidokimomo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ