君はだれ?

「喜べ!お前の親友が見舞いに来てやったぞ!」



「えっ、—————だ、誰?」


 僕は、突然病室に入ってきた男に驚いた。


「は?——お前、なに言ってんの?」


 男は『信じられない』とでもいうような顔で言ってきた。

 


 いや、そっちこそ何言ってんの。



 さっきまで寝てたから、寝ぼけて見えてはいけないものが見えてる? 


「——おい!寝ようとすんな」


 そんな男の声を無視し、僕はまた眠りについた。——



       ——「ははぁっ!“柑菜かんな”ちゃん、おもろ!」



 1時間後、笑い声で目が覚めた。


「えー、まだいたの?」


 僕は、男を見て心底嫌そうな顔をした。


「そんな、嫌そうな顔すんなよぉ〜」


 かなり落ち込んでいるようだ。

 この男には“嫌そうな顔攻撃”が結構効いた。




「そりゃ、知らない人がいたら嫌な気分になるでしょ」


「だからぁ、俺はお前の親友なんだってば!」


 は?親友?僕、この男とないけど——



 ——「あぁ   “ぜろ”くん、この人ね——」


「いたのか、謎少女。」


 僕は、彼女の存在に気がついた。


「おい、謎少女ちゃんには“柑菜かんな”っていう名前があるんだから。」



 彼女………柑菜は少し怒ったような口調で言った。



 と、いうか、なんか聞いたことのあるような名前だな。



 柑菜かんな———か、。



「ふふっ。」


 僕は、何がおかしかったのかは、わからないが自然と笑みが溢れた。



「何、笑ってんの?キモイよ。」


 柑菜からは言葉はドン引きされたが…。





「あのー、二人の世界に入ってるところ悪いんですが、俺のこと忘れてませんか?」



「あぁ、忘れられるのなら忘れたかったよ。」


 果たして、こいつは本当に僕の親友なのだろうか。それを証明するものが、ないからわからない。




「んー。証明できる物さえあれば————そうだ!ちょっと、手紙を出してくれ。」


 男は、急に意味のわからないことを言ってきた。




「手紙?」


「あなたのおばさんが持ってきてたやつよ。」


 僕は、柑菜の言葉でようやく気づいた。


「これのことね。」


「それを読んだら意味がわかるぞ」


 と、男に言われ、僕は手紙の手紙の封を切った。

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手紙の意味さえ分かれば 橋本 愛佳 @kota_suka

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