第17話 林間学校3日目 恋の相談!?
結局、夜風は4人が少し目を離した隙に翼のところへ行った。夜風と翼は4人から見えないところにいる。4人は夜風を一生懸命に探している。2人でなにを話しているかというと、恋の相談だ!夜風と4人は小さい頃からの幼馴染で、4人は夜風のことが好きで、夜風は4人全員が好きということを話した。なぜこんなことを翼に言うのか。それは翼が恋愛経験豊富だと思ったから。そして、翼も色んな話をしてくれた。
翼 「なるほどねー。夜風ちゃんたちは面白いね!」
「いろんな子の恋の相談をしてきたけどそんなの初めてだね」
「4人に付き合ってって言われたけど誰とも付き合ってないってことだね」
夜風 「そうなんですよ」
翼 「それなら4人全員と付き合っちゃえば?」
夜風 「いやさすがにそれは……」
翼 「4人にも全員が好きってことを伝えたでしょ?それならほぼ本音を言ってるのと同じじゃん」
「4人全員が好きなのに1人だけを選ぶのって大変でしょ」
夜風 「そうなんですよ〜。どうしよう……」
翼 「自分のやりたいようにするほうがいいよ」
「この関係がいつまで続くか分かんないしね」
夜風 「そっか」
「私はこの関係をずっと続くって勘違いしてるのか」
「翼もそういう経験があるの?」
翼 「あるよ。もっと早く好きって伝えればよかったなって思うよ」
「高校のとき、好きな子がいて、その子も俺のことが好きみたいで、両想いだった。けど、その気持ちを伝えてなかった。気持ちを伝えないまま、時が経った。急にその子が重い病気にかかった。余命はあと半年と言われたらしい。俺はお見舞いに行って、告白した。『好きだよ』と。その子は『私も好きだよ』『死ぬまえに、翼くんに好きって伝えられてよかった』って言ったんだ。なんで、もっと前から言わなかったんだろうと後悔した。その子は余命宣告通りに……」
翼の目から、涙が出てきた。
夜風 「思い出させてごめん」
翼 「ううん。夜風ちゃんは元気そうだから病気とかしなさそうだけど、この関係がずっと続く保証はどこにもないよってことを伝えたかっただけ」
夜風 「ありがとう」
翼 「4人に好きな理由を言われたことあるの?」
夜風 「そういえばないかも。いつも『好き』としか言われない」
「それに私もなんで4人が好きなのか言ってない」
翼 「なるほど」
そう言った瞬間!翼は動いた!なんと、4人の目の前に現れたのだ!さっきまで夜風と話していたはずなのに今は4人の前にいる。足が速いという次元ではなく、瞬間移動のように見える。
4人 『夜風はどこだ!』
4人は怒っている。
翼 「夜風ちゃんを取ろうとなんて思ってないから。そうじゃなくていいこと教えてあげる」
翼は4人に近づいて、耳元で囁いた。
「夜風ちゃんのことをもっと褒めてあげな。そしたら、絶対に夜風ちゃんはなにかしら行動に出るから」
夜風は普段からスキンシップをしない。相手がしてきたら受け入れるが、自分からはしない。なんでかって?4人平等にできないからである。それなら夜風からはやらなくていいかなと思ったのだ。正直に言うと、めんどくさい。ひどっ!
4人 『ほんとか?』
翼 「うん!ほらあそこに夜風ちゃんがいるから行ってあげな!」
4人 『おう!』
翼 (なんでこんなに5人に肩入れするかっていうと、夜風ちゃんが前好きだった子と、似てるから。それに4人はなんとなく俺と似てるからだ)
夜風の前に4人がいる。
夜風 「急なんだけどさ!私が4人を好きな理由、言うね!伝えたことないからさ!」
「炎はいつも元気で明るいところが好き!」
「光輝は優しくて、気遣ってくれるところが好き!」
「紫音は裏表があって驚くけど、そこが好き!」
「氷はいつもストレートに言ってくれるところが好き!」
「とにかく全部が好き!」
4人はものすごく照れている。
炎 「俺が夜風を好きな理由は……ものごとをきっぱり言うとこが好き!」
光輝 「僕は夜風の笑ってる顔が大好き」
氷 「俺は夜風のサバサバした性格が好きだ」
夜風は顔を真っ赤にして、照れていて嬉しそうだ。
紫音 「その照れてる顔が大好きだよ」
夜風 「そんなに言われると照れるよ!」
「けど、ありがと!」
夜風は一瞬だったが、4人の口にキスをした。
4人 『え?!』
夜風 「4人とも大好きだよ!」
4人 『夜風!もう一回!』
夜風 「なにが?」
紫音 「キスだよ!」
夜風 「もうしないよ〜!」
4人 『え〜!!』
翼は5人を木陰から見ていた。
翼 「5人ともよかったね」
「俺はずっと、ここねが大好きだぞ」
翼は青空を見上げた。
4人の彼氏候補 和藤ユヒリ @saririsa
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